米国のバージニア州は、中国を含む外国の敵対勢力による農地の購入を禁止する。州議会は2月に同法案を可決しており、グレン・ヤンキン知事の署名で成立する。
「神から祝福された豊かで活気のある農地を所有すべきなのはバージニア州民であり、中国共産党ではない。中国共産党と結びついた危険な外国組織がバージニア州の農地を購入することを禁止する法案を可決するよう州議会に求める」。ヤンキン氏は、2023年の立法セッションの冒頭に行われた一般教書演説でこう語っていた。
同法案は、バージニア州農業消費者サービス局(VDACS)が、外国人の土地所有に関する年次報告書を知事と州議会に提出することを義務付ける。初回の報告書は7月1日までにVDACSのウェブサイトで公開される予定だ。 購入禁止の対象国となるのは中国のほか、キューバ、ロシア、北朝鮮、ベネズエラの政治家も含まれる。
この禁止令は、1月1日に遡って適用されるが、今年以前に完了した取引には影響ないとした。
米農務省によると、中国系団体は2021年末時点でバージニア州に約1万4000エーカーの農地を所有していた。その大半は、中国精肉大手・双匯国際(現:万洲国際)による2013年の米最大手豚肉加工業者スミスフィールド・フーズの買収に関連している。
アーカンソー大学の全米農業法センターによれば、2月現在、22の週で中国企業による土地買収を規制する動きがでている。テキサス州とフロリダ州では、中国を念頭に不動産取得を幅広く制限する法案が検討されている。
軍事資産を守る
ヤンキン知事はバージニア州の軍事資産の保護を強調した。
26日に出演したFOXニュースでは「特にペンタゴンやクアンティコ、世界最大の海軍基地のような国家戦略資産に隣接する農地を中国に買わせないようにする」「国家戦略資産を安全に保つ」と強調した。
ヤンキン氏の広報担当者によると、この措置は今後数週間のうちに署名され、法律となる予定。「知事は、国家安全保障を犠牲にして、バージニア州民の税金や農地が、中国共産党や危険な外国団体を利することに使われてはならないと、初日から明言している」とエポックタイムズの取材に答えた。
今年初めには、ノースダコタ州グランドフォークスで計画されていた中国企業によるトウモロコシ製粉工場プロジェクトが中止された。グランドフォークス空軍基地からほど近い場所に位置することから、米空軍は「国家安全保障に対する重大な脅威」として警告を発していた。
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