[10日 ロイター] – 太平洋の島国であるミクロネシア連邦(FSM)は、中国への不満から、中国の代わりに台湾と国交を結び、5000万ドルの援助を受けることについて2月に台湾側と協議した。退任するパニュエロ大統領が書簡で明らかにした。
太平洋の島々における安全保障上の影響力を巡る米中の緊張は高まっており、パニュエロ大統領は太平洋の島しょ国10カ国との安全保障・貿易協定を締結しようとする中国への批判の急先鋒だった。
大統領はロイターが確認した州知事宛の書簡で、2月に台湾の呉釗燮(ジョセフ・ウー)外交部長(外相)と会い、中国から台湾への外交シフトについて議論したと説明。「われわれの将来のニーズを満たすには約5000万ドルの注入が必要だと見込んでいる。台湾と国交を樹立すれば3年間でこの資金を得ることが可能で、そうするつもりだ」と記した。
また、「台湾側は、中国が現在進めているあらゆるプロジェクトを引き継ぐと保証している」とも書いた。
大統領は、台湾の支援により、「われわれの主権を損ない、価値観を否定し、わが国の選挙で選ばれた高官を自らの目的に利用する中国から距離を置くことになり、安全保障が大幅に強化される」と付け加えた。台湾からは暫定的に年間1500万ドルの支援策が提示されたという。
ミクロネシア連邦大統領府の広報担当者はコメントを控えた。
台湾外交部は、他国との接触についてコメントできないとしながらも、中国の「口先の約束」に比べ、台湾は常に「実務外交、相互利益、『台湾は支援可能』」の精神を堅持してきたと表明。将来的に、台湾モデルを用いてミクロネシアの発展を支援する考えを示した。
一方、中国外務省の毛寧報道官は、パニュエロ氏の書簡に関する報道について「中国に対する中傷や非難は事実とまったく矛盾している」と発言。誰が政権を握ろうとも、中国は「一つの中国」の原則に基づき、相互尊重、平等、互恵の原則を堅持すると述べた。
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