米テキサス州上院は26日、米政府が敵対的国家と指定した国による同州の土地購入を制限する法案を可決した。下院を通過すれば、アボット州知事は法案に署名する意向を示している。
法案は賛成19、反対12の賛成多数で可決した。対象国がテキサス州内の農地や石油・ガス、木材、レアアースなどを購入することを禁止する。米国家情報長官が年次脅威評価で国家安全保障上のリスクとして特定した国が対象で、中国のほかイランや北朝鮮、ロシアなどが含まれる。
法案を提出したロイス・コルホルスト議員は声明で「(上院での可決は)国家安全保障を強化するための重要な第一歩」だと指摘。法案は、敵対的国家による土地購入を阻止するだけでなく「食糧供給とエネルギー資源を保護する」と強調した。
アジア系コミュニティからは「差別的だ」との反発の声が上がったため、米市民権や永住権を持つ外国人は適用対象外といった修正を経た。批判を受けて、コルホルスト氏は「領土保全だけを目的としており特定の出身国の人々をターゲットにしていない」と語っている。
米下院外交委員会のマイケル・マッコール委員長も「米国の敵が日に日に攻撃的になっていることは周知の事実だ。スパイ気球が明らかにしたように、中国共産党はスパイ行為に関して際限がない」と述べ、法案支持を表明した。
この法案は、州議会が2021年に成立した、敵対的国家が同州の重要インフラに関与することを禁止する「ローンスター・インフラ保護法」に基づく。中国共産党政権と繋がりがあるとされる中国企業が同州にある米空軍最大のパイロット訓練基地近くの広大な土地を購入し、風力発電所を建設しようとする計画を阻止する狙いがあった。
先月にはユタ州が同様の法案を成立させたほか、フロリダ州やカリフォルニア州などでも同措置が検討されている。中国などによる不動産購入を禁止している州は22州に上る。
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