中国広東省広州市の中級人民法院(地裁)は11日、国家政権転覆扇動罪で著名な民主活動家、郭飛雄(本名・楊茂東)氏に懲役8年の実刑判決を言い渡した。中国の人権問題に取り組んできた郭氏が政治的迫害で投獄されるのは今回が3度目で、累計刑期は19年に上る。
郭氏は2021年、末期ガンの妻に会うため米国行きを希望していたが、「国家安全」を理由に中国当局に拘束されていた。妻は昨年1月、再会を果たせぬまま米国で亡くなった。
エポックタイムズの取材に答えた郭氏の弟によれば、郭氏は長期にわたってネット上で「扇動的」な文章を公表したことや、出国を阻止された2021年に米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に応じ中国共産党の政治体制を批判したことで国家政権転覆扇動罪に問われたという。
郭氏は、判決は受け入れなれないとして控訴する方針だ。
在中米国大使館も今回の裁判についてコメントを発表。外交官が傍聴を試みるも妨害されたと明かし「家族と再会できるよう、郭氏の迅速な釈放を求め続ける」と述べた。
中国の人権活動家・陳光誠氏は判決を受けて「中国共産党は国際法に則っていない」と指摘。中国憲法には「人権を尊重し保障する」と記載されているため、インタビューに答えることも立憲民主に関する記事を発表することも違法ではないと、エポックタイムズの取材に答えた。
郭氏は2021の逮捕から2年以上に渡りハンガーストライキを続けており、体重は50キロ代前半にまで痩せ細っているという。
郭氏は、天安門での民主化運動への参加や、中国共産党に弾圧されている気功団体・法輪功の学習者を支援するなど、長年にわたって中国人権問題に取り組んできた。2006年に政治スキャンダルの書籍出版に関連して禁固刑を言い渡された際には、電気ショックや拷問を受けた。
陳光誠氏は中国共産党に対して一切の期待を抱かないよう呼びかけている。「中共という邪悪な集団を徹底的に消滅させ、共産専制政権を徹底的に打ち砕かなければ、中国は良くならない」と力説した。
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