中国政府の「代理人登録」遡及的に義務付け 米下院が法案発表

2023/07/13 更新: 2023/07/13

米超党派の下院議員団は11日、外国政府、特に中国共産党の代理人として働いたことのある個人に対して、外国代理人登録法(FARA)に基づき遡及的に代理人としての登録を義務付ける法案を発表した。

「遡及的外国代理人登録法案(Retroactive Foreign Agents Registration Act)」は中国特別委員会マイク・ギャラガー委員長(共和党)と同委員会の民主党トップ、ラジャ・クリシュナムルティ議員が提出した。法案は中国共産党(中共)の米国内における影響力に対抗するため、外国代理人登録を怠り、その後活動を停止した者へも、代理人登録を義務付ける。

ギャラガー氏は声明で「中共やその他の敵対的国家は、代理人を使って影響力行使キャンペーンを展開し、わが国への越境弾圧を実施している」と述べ、こうした脅威に対抗するには遡及的に「代理人登録」を義務付ける必要があると強調した。

FARAは、外国の利益になる不当な情報操作を防ぐために、自国政府を代弁する機関や個人に米司法省への登録を義務付けている。しかし、現在外国政府の代理人として活動していない場合は登録義務が適用されない場合もあり、敵対的国家の影響力行使に法律が追いついてないのが現状だ。

その一例として、「カジノ王」として知られるスティーブ・ウィン氏に対して「中国政府の代理人」としての登録を求めた司法省の訴えを、米連邦地裁判事が却下したことが挙げられる。

司法省は昨年、中国政府の代理人として活動していたウィン氏に対し、FARAに基づき中国政府の代理人としての登録を求める訴訟を起こしていたが、連邦地裁判事はウィン氏と中国政府との関係は終わっているとして、訴えを却下した。

ギャラガー氏は「この不合理な判決により損なわれたFARAの本来の重要な役割を取り戻す必要がある」と指摘している。

クリシュナムルティ氏も、米国内における中共の影響力を取り締まるFARAの役割を強調。「FARAは中共の影響力と、わが国の経済と国家安全保障にもたらす害に光を当てるための最良の手段だ」と述べた。

上院では11日に同様の法案がチャック・グラスリー議員らにより提出された。グラスリー氏は「FARAの抜け穴を防ぐ法案」と強調している。

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