米下院は13日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国内での配信を事実上禁止する法案を賛成352、反対65の圧倒的多数で可決した。今後上院で審議され、通過すればバイデン大統領は署名すると宣言している。
超党派法案は中国特別委員会の共和党のマイク・ギャラガー委員長と民主党のラジャ・クリシュナムルティ筆頭委員が提出した。ティックトックの親会社、北京字節跳動科技(バイトダンス)が「中国共産党の管理下」にあるとし、同アプリを「敵大国の企業」以外に売却しないかぎり、米国内での同アプリ配信を禁止する内容が盛り込まれている。
ギャラガー氏は「中国共産党に支配されたバイトダンスとの関係を断たない限り、TikTokは米国での居場所はない」と強調した。
下院エネルギー・商業委員会でも7日、法案提出からわずか2日で委員会を通過する異例のスピード採決となっていた。
いっぽう、ティックトックはエポックタイムズの取材に対し「この法案は、米国人の憲法修正第1条の権利を踏みにじるものだ」と批判した。
ティックトックをめぐっては、個人情報などを無断に中国共産党へ送信している事などが指摘されており、国家安全保障上の懸念から政府職員の公用端末での利用を禁じている。これに加え、ティックトックのコンテンツが青少年の精神衛生にも及ぼすと問題視され、米国では同アプリを禁止する法案が多数提出されている。
批判
国家安全保障に対する脅威だと指摘されるティックトックだが、法案をめぐっては批判的なコメントもある。
ロバート・ガルシア議員エポックタイムズの取材に対して、法案はTikTokを主な収入源としている「700万人もの米国人経営者を苦しめるものだ」と強調した。
トランプ前大統領もティックトックを禁止すれば、米IT大手メタが運営する交流サイト「フェイスブック」を利すると、米CNBCに語った。いっぽう、国家安全保障とデータプライバシーに関するティックトックのセキュリティ上の懸念は取り除く必要があるとしている。
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