中国で「龍王(竜王)」といえば、天空の雲や雨を司り、水の動きを自在に操る神として畏れられ、また敬われてきた。
古来、干ばつに苦しむ中国の農民は、この「龍王」に祈願して降雨を求めたのである。また「龍王」は、海の神である「海竜王」とも呼ばれた。日本では「龍神」という言葉に語義がちかいとされる。
先日、北京を襲った洪水は、各所に甚大な被害をもたらした。ところが、被害のひどかった北京市房山区にあって、この「龍王」を祭る社「龍王廟」だけが奇跡的に無傷だったことがわかった。その「龍王廟」の周囲一帯は、洪水による泥や瓦礫であふれ、ほとんど廃墟と化していた。
たまたま通りかかった時に、この奇跡的な光景を発見したという動画投稿者は「全くもって不思議だ!」と驚いていた。小さいながらも「龍王廟」の建物が無傷であったばかりか、瓦一枚、レンガひとつも流されていなかったからだ。
関連動画にも「やっぱり神様はいたんだな」「これじゃあ、悪いことできないね」といったコメントが寄せられている。
この「龍王廟」は、もとは小川にある大きな岩の上に、清代に建てられたものであった。2007年に再建され、現地では観光名所の1つとなっている。
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