不動産企業は赤信号、倒産が常態化している
今年の6月、中国の不動産販売は25%の減少を記録し、7月にはトップ100の不動産開発企業の新築住宅の売上は前年同期比で33.1%減少した。以前から、不動産大手の恒大集団は経営の危機に直面していた。
8月8日には、中国最大の不動産企業である碧桂園が、2つの海外ドル建て債の利息の支払いが8月7日の期日を逃したと公表した。
これは、中国最大の不動産企業までもが経営の危機に立たされていることを示している。これは中国の不動産業が全体として崩壊の兆しを見せているのかもしれない。
石山氏の見解によれば、これは避けられない流れである。大きな市場で問題が生じれば、その市場に多く投資しているほど影響は大きくなるだろう。不動産業は本質的に資本集約型であり、高い負債率を持つ業界である。そのため、資金調達は債券や銀行融資に頼らざるを得ない。
数年前、中共政府は「3つのレッドライン」を設定し、負債率のコントロールを強めた。しかし、急速な成長を追い求める不動産企業にとって、高い負債を背負うことは避けられない。恒大、碧桂園、そして中国の資産管理会社の多くは、不動産への多大な投資と高い負債を持っている。この業界での利益獲得の前提は、不動産価格の上昇である。
不動産価格が上昇し続けてさえいれば、投資しても良いし、売却しても損はしない。1年後に売却すれば、実は更に大きな利益が得られるのである。
しかし、この市場が逆の動きをして価格が下落すると、それは大きな問題となる。
石山氏によると、中国は既に資産の価値が下がり始めている段階に入っている。不動産だけでなく、株価やその他の企業投資も同様の動きを示しており、経済全体が大きな問題に直面している。
謝田氏は、不動産が中国経済の3つの要素のうちの1つとして非常に重要であると指摘している。不動産の価格や販売が大きく下落していることも事実である。
地方政府の土地販売はほとんど行われておらず、多くの不動産会社が経営困難に直面している。恒大や碧桂園の問題はその例である。
これらの企業の問題の背後には、多額の外債や外国からの投資が存在している。これは、中国の不動産市場が以前、危機に直面した際、西側の資本が中国に流入した結果である。
そして、これらの企業が受け取った多額の投資により、債務は増加している。不動産の売上が下がるとキャッシュ・フローが問題となる。特に、中国の外貨の問題も加わって、外貨での債務返済は困難である。
中共政府は以前、不動産企業にいくつかのルールを設けたが、多くの企業がこれらのルールを遵守できなくなっている。その結果、多くの企業は経営危機に陥っている。
謝田氏によると、現在、中国経済への世界からの信頼は低下している。そのため、外国からの投資は減少し、中国経済への支援も期待できない状態である。
更に、中国の経済の3つの柱は弱体化しており、国際社会との関係も悪化している。これにより、中国経済の衰退は数年続くと予想される。
中国共産党が経済を刺激しても、官僚の利益のみが増大し、社会の危機は深まる
郭氏は、最新のCPIデータをもとに、中国の消費の低下を指摘している。そして、これが続く可能性があると述べている。
中国経済の三大柱である輸出、投資、消費のうち、輸出と投資には既に問題が生じている。そのため、中共政府は消費を活性化し、経済の回復を目指している。
中共政府にとっての矛盾は、消費の低迷と同時に、人々の預金の増加である。彼らは市民により活発な消費を望んでいるが、実際には未来への悲観的な視点から、中国の人々は消費を控え、資産を蓄えているのである。
中国の消費の低迷の背後には、国内の貧富の格差が存在する。例を挙げると、今年の前半に全体の消費が低迷する一方、ルイ・ヴィトン、エルメス、バレンシアガなどの高級ブランドの売り上げは20%以上増加している。
これは、一方で全体の消費が低迷し、一方で高級品の消費が増加していることを意味する。この原因は貧富の差であり、中国の消費者の自信は低い状態である。この状況を打破するための政府の宣伝にも関わらず、中国の人々はそれを信じず、自らの経験を基に行動しているのである。
郭さんは指摘する。中共の経済刺激策の恩恵を最も受けるのは既得権益層であると。これは明白である。各種の政策の実施、特に大量の通貨供給による経済の刺激は、中共の官僚によって進行される。
そして、これらの官僚は中国の権力層、裕福な集団の一部となっている。彼らはこの政策を利用し、利益を更に増やしている。強権的な体制の強化は、社会の不安や動揺を増加させ、危機的状況を招く可能性が高まる。
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