米国は、中国製品への関税を回避するために、東南アジアで製品を仕上げている太陽光パネル5社に対して関税を課すと発表した。
18日に発表された関税は、バイデン大統領が設定した2年間の免除期間が切れる2024年6月までは発効しない。
商務省は、2022年3月に開始された調査で、米国に輸入されるソーラーモジュールの約4分の3を供給しているカンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムで事業を行っている8社を対象とした。
同省は、8社のうち、ビー・ワイ・ディー(BYD)香港、ニューイースト・ソーラー、カナディアン・ソーラー、トリナ・ソーラー、ビナ・ソーラーの5社が関税規則を回避する操作を行っていることを発見した。
商務省関係者によると、これらの企業は、ソーラー製品を仕上げるためにわずかな処理を施した後、それらを米国市場に持ち込んだというのである。
調査結果は、同省が12月に発表した予備調査の結果とほぼ一致していたので、4社には関税法違反の警告を与えた。5番目のカンボジアを拠点とするニューイースト・ソーラーは、同社が当局による事業の現地監査への協力を拒否したため、18日にリストに追加された。
この決定に対して、プロジェクトのコスト・カットのために安価な海外製品を輸入している太陽光パネルのバイヤーから抵抗の声が上がった。一方、何年間も、価格面で中国製品と競争してきた国内の小規模ソーラーメーカーにとっては、歓迎すべきニュースとなった。
国際エネルギー機関によると、太陽光パネルの生産において中国は圧倒的な力を有しており、ソーラーウェーハの世界市場シェアの97%を供給し、太陽光パネルの全製造工程の世界シェアは80%を超えている。
この決定の下、4か国のソーラーメーカーは、関税を回避していないことを証明できない限り、新たな関税に直面することになる。
これらの国で製造された太陽電池が別の国でモジュールやその他の製品に組み立てられ、その後、米国に出荷される場合、証明書の提出は必要ない。
米国の貿易当局は、サンノゼに本拠を置くソーラーメーカーのオーキシン・ソーラーからの苦情を受けて調査を開始した。
10年間、反ダンピング関税が中国製のソーラー製品に対して課されてきたが、それは商務省の調査によって、中国企業が価格を人為的に低く抑えるために政府の補助金を受けていることが判明したためである。
議会は、超党派の支持を得た不承認の共同決議によって、バイデン大統領の一時的な関税停止を撤回しようとしてきた。
大統領は5月、関税の一時停止は、ソーラーパネル工場の新設など国内の太陽光発電産業を活性化させるための多方面にわたる戦略の一環であるとして、この措置に拒否権を発動した。
環境・人権問題
7月の報告書の中で非営利研究グループは、中国製の太陽光パネルは、パネル製造中に3倍の炭素排出をしていると述べた。
ソーラー製品を中国から調達することで、国際的なソーラー企業も人権侵害にさらされる機会が増えている。
太陽光パネル製造に使用されるポリシリコンの主要な供給元は新疆ウイグル自治区であり、この地域はウイグル系イスラム教徒の大量拘束と強制労働問題で知られている。
昨年6月に施行されたウイグル強制労働防止法に基づき、米国税関・国境警備局は1月までに、奴隷労働に由来する可能性が疑われた2692件の貨物を特定した。
これらの貨物の出荷額は8億ドルを超えると推定されている。
イギリスのシェフィールド・ハラム大学の8月のレポートによると、世界のトップ5ブランドを含むソーラーメーカー10社の評価が行われ、そのほとんどが新疆ウイグル自治区からの輸入品にさらされるリスクが「高い」か「非常に高い」ということがわかった。
「企業が十分なサプライチェーン情報を開示していないため、各社の製品が新疆ウイグル自治区と無関係か否かを的確に判断することは難しい」と報告書は述べている。
「世界的に透明性の向上を求める大きな圧力にもかかわらず、ソーラー業界の調達に関する情報の透明性は、時間の経過とともに低下しており、倫理的な調達を志向する世界の動きの妨げともなっている」
中国が適切な技術基準を維持せずにソーラーの製造能力を強化してきたため、太陽光パネルの廃棄物は、中国でも大きな問題となっている。
太陽光パネルの寿命は約25〜30年であり、中国のプロジェクトの多くはすでに重大な劣化の兆候を示している。
老朽化した太陽光パネルの廃棄物が増加してきたため、中国の国家計画者である国家発展改革委員会はリサイクルシステムを設定しようと動き始めた。
同委員会は8月16日、同委員会は、「10年後までに風力タービンと太陽光パネルの「基本的に成熟した」リサイクルシステムを構築することを目標に、ソーラー施設についての適切な解体およびリサイクル方法に関する新しい産業基準と規則を作成する」と述べた。
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