寝たきり老人でも「窓口で顔認証」 預金の引き出しを極力させない中国の銀行

2023/09/04 更新: 2023/09/03

近年、中国では「万が一、自分が亡くなった時に、家族が預金を引き出せなくなる」ことを心配して、まだ生きているうちに銀行預金を下ろしておこうとする老人が増えている。

その背景には、預金者家族がお金を引き出す際に「本人が窓口に来なければ応じない」などと簡単には預金を引き出せないよう、各種の「こじつけ」をする銀行の悪い評判が関係している。

実際、ネット上には「預金が引き出せない」あるいは「いろいろ理由をつけて、預金を引き出させてくれない」と訴える投稿が少なくない。本当に「寝たきりの老人を担いで窓口へ行き、顔認証を行って預金を下ろす」ことまでせざるを得ないケースも多々ある。

また、ある日、銀行に預けていた預金が突然凍結される、という中国以外の国では信じ難いようなことも実際に起きている。河南省で起きた同様のケースでは、地元政府まで介入したが、1年以上経った現在もこの問題は解決されていない。

中国各地の銀行では、しばしばこのような取り付け騒ぎが起きている。そうなるのも、預金者の預金を突然凍結するなどの銀行不信に加えて、銀行の円滑な業務を監督する地元政府の不作為などが重なった結果と言えるだろう。

(撮影日時と場所は不明。高齢の預金者たちが銀行で起こした取り付け騒ぎ。)

(家族が「寝たきりの老人(預金者本人)」を銀行まで担いでゆき、窓口で顔認証を行っている)

(預金を下ろすため、まだ生きている預金者を窓口へ連れて行った。本人の身分証もある。しかし、銀行の窓口担当者は「顔認証できない。ほかにもPCR検査証明などを提出するように」と言って、対応しようとしない。預金者の家族は「少しは人民のために奉仕したらどうだ。我われ庶民に難癖をつけないでくれよ」と銀行に訴えている)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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