中国大手不動産ディベロッパー・恒大集団の許家印会長が違法行為の疑いで法律に基づき強制措置を受けた。許氏は手錠をかけられたとも言われている。
メディア関係者がオンラインで許家印氏の逮捕の詳細を暴露したところによると、許氏は河南省洛陽市邱集鎮で逮捕され、激しい抵抗の末、手錠と足枷をかけられたと伝えている。
しかし、中国大手「搜狐網」の報道によれば、許家印氏が連行された当日、広州市公安局天河区分局の警察車が許氏のオフィス近くに現れ、許氏は手錠をかけられていたとの目撃証言がある。
先日、恒大集団の元最高経営責任者と元最高財務責任者を含む高級幹部5人も拘束された。
エポックタイムズの取材によると、台湾の金融専門家・黄世聡氏は、恒大は2年前には既に問題を抱えていたと述べた。しかし中国共産党(中共)の態度は、コロナ疫病が終息した後、不動産景気が回復すると望んでいた。
しかし、予想外に不動産景気は相当悪化していた。加えて、恒大が米国に破産保護を申請したことで、中共の顔に泥を塗った。中共は許家印氏がこっそりと一部の財産を移動させるのを避けるために、許氏を連行した。
サウスカロライナ大学エイキンビジネススクールの教授である謝田氏はこのように分析している。
恒大は江沢民元国家主席と曽慶紅元国家副主席をはじめとする江曽派の重要資金源になっているため、習近平氏は恒大集団の救済にそれほど熱心ではないようだ。
一方で、恒大だけで2兆4千億元(約49兆円)の債務を抱えている。多くの企業も同様の問題を抱えているため、中共政府はずっと救援しなかった。
「今のところ、恒大とこれらの外国の債権者との交渉は決裂したように見え、恒大のデフォルトはほぼ確実だ。中共も彼(許家印氏)が逃げるのを心配していると思う。だからこのタイミングで彼をコントロールするのだろう」
恒大と許家印氏は今後どうなる
許家印氏が27日、警察の監視下に置かれたと伝えられた後、香港証券市場で恒大の株が急落した。9月28日、中国恒大、子会社の恒大新能源汽車集団、恒大物業集団の株式は香港取引所で販売停止。
黄世聡氏は、中共政府が恒大の再編に介入し、一部の資産を売却し、他の企業の未完成ビルを完成させる可能性があるとの見方を示した。このほうが不動産への衝撃は比較的低いだろうと考えている。
謝田氏は恒大は破産するだろうと考えた。「資産を差し押さえられ、競売されたら、中国の不動産相場がさらに落ち、他の不動産企業も打撃を受けるだろう」
渡米した経済学者・鄭旭光氏は、許氏はスケープゴートにされるかもしれないと述べた。
「政府がどのように処置を行おうとも、恒大に借金をしている人々は、恐らく元も子もなくなる。恒大の予約販売物件を購入した人々も、経済的に損失を受けるだろう」
業界への影響について、鄭氏は「恒大が清算されれば、住宅価格も地価も衝撃を受け、不動産業界全体が影響を受けるだろう。不動産企業は次々とデフォルトに陥るだろう」と語った。
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