8億のアクティブユーザーを有している有名通信アプリである「Telegram(テレグラム)」が、中国のインターネット大手、テンセントとの提携について論争を起こしている。一部の業界関係者は、この提携がユーザーにセキュリティリスクをもたらす可能性があると警告している。
テンセントの発表によれば、TelegramはTON基金と協力し、テンセントと共同する。テンセントの開発者たちはTelegram上でアプリケーションを開発し「スーパーアプリエコシステムプラットフォーム」としてTelegramを構築することを目指している。
これによって、第三者の開発者や企業は、ゲームからレストランまで、多様なプログラムを開発し、ユーザーと交流できる。開発者はJavaScriptを用いて、柔軟で多様なインターフェースを創出でき、それをTelegram内で動かし、また任意のウェブサイトを完全に置き換えることもできるという。
Telegramの仮想通貨パートナー、TON基金はユーザーとの対話プラットフォームを構築している。Telegramの中国名は「電報」で、多くの中国大陸の人々はTelegramを利用して、中国共産党のインターネット検閲を回避し、外部とコミュニケーションを取っている。
Telegramとテンセントの提携の報道が伝わり、人々は中国共産党の検閲機構がユーザーに多様なリスクをもたらすのではないかと懸念している。
中国のIT業者である何家緯氏は、「テンセントとTelegramの提携によって、ユーザーは監視のリスクにさらされ、ハッカーはバックドアを通じてコンピュータや携帯電話に侵入し、ユーザーの個人情報を盗むことができる」
「テンセントは中国共産党政府にコントロールされている。多くのデータがそのデータベースに流入している。中国共産党は、大量のデータを通じて人々をコントロールできる」 と大紀元に述べた。
また何氏によるとテンセントの中国のメッセンジャーアプリ「WeChat」は既に完全にコントロールされているという。
「WeChatを利用すると、インターネット警察やハッカーがアカウントに侵入し、情報を変更したり、アカウントを利用して他の行為を行うことができる。ほぼ全てのデータはそのコントロール下にあり、バックドアは広範に開かれている」と何氏は語っている。
専門家も、Telegramとテンセントの提携がユーザーに潜在的なセキュリティリスクをもたらす可能性があることを示唆している。多くのユーザーと業界関係者は、この提携により、個人情報が中国政府にアクセスされるリスクが高まることを懸念している。
9月30日、元Huaweiのソフトウェアエンジニアである金淳氏は、大紀元に対して、「Telegramがテンセントと協力する。その結果、利用者の多種多様な金融情報、クレジットカード番号、銀行のパスワードなどの情報が漏洩する可能性がある。チャット情報や登録情報についても、それらが漏れる可能性があるのは言うまでもない」と警鐘を鳴らしている。
さらに金淳氏は「Telegram自体はオープンソースなので、中共はTelegramの創始者やオリジナルの開発者の知らないうちにそれを直接改造し、中共バージョンのTelegramを皆に提供できる」と指摘している。現在のTelegramは、オリジナルのものとは大いに異なっているのだ。
人権組織「中国人権」もまた、この協力はTelegramや第三者開発者により大量ユーザーの個人データ収集を可能にすることが出来ると警告した。
近年、多くの反中共者、権利活動家、上申者、そして香港の民主派活動家たちは、Telegramでグループを組み、連絡を取り合っていた。多くの人々が中国国内で禁じられている記事やビデオをTelegramに転送し、保存している。しかし、この協力が発表される前から、すでに多くのTelegramユーザーアカウントが盗まれ、反中共の投稿が検閲され、多数のグループが攻撃を受けている。
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