イスラエル・ハマス紛争でわずか7日間でガザ地区内で約100万人の難民が発生している中、米国ではガザ地区の難民受け入れの是非をめぐって論争が起きている。
米民主党の強硬進歩グループ「スクワッド」所属のジャマール・ボウマン下院議員は「(米国は)パレスチナ難民を歓迎すべきだ」と主張した。逆に、米共和党のトム・ティファニー下院議員は、パレスチナパスポート所持者の米国入国を遮断する法案を発議した。
ティファニー議員は「米国の国家安全保障を守るためにこのような法律を発議した」と明らかにした。
米右派系メディア「ブライトバート」が報じたところによると、ティファニー議員が発議した「侵略国無入国保証(Guaranteeing Aggressors Zero Admission)法案」いわゆる「ガザ法」は、パレスチナ国民が米国土安全保障省の一時入国許可システムを利用して米国に定着しようとする試みを遮断する内容を中心とする。
ティファニー議員は声明で「私たちは、ジョー・バイデン大統領が一時的な入国許可規定を悪用して、検証されていないパレスチナ人を米国のコミュニティに連れてくることを許すことはできない」と強調した。
ティファニー議員と共に他の共和党議員も、ガザ地区難民に米国を開放することに対して反対の立場を表明した。
マルコ・ルビオ共和党上院議員はニューヨークポストとのインタビューで「米国は世界で最も寛大な国だが、国境を守る能力がない状況で、特にテロリスクが高い地域の難民を追加で受け入れる立場ではない」と発言した。
同様に、共和党所属のフロリダ州知事のロン・デサンティス氏も「ガザ地区難民を米国が受け入れてはならない」とし、「周辺のアラブ諸国が国境を開放し、彼らを受け入れなければならない」と声を上げた。
これと関連し、ガザ地区難民の米国入国を促したボーマン議員も、入国許可前に審査を受けなければならないと主張している。
ボーマン議員は「ガザ地区の人口の50%が子供だ。米国をはじめとする国際社会は、パレスチナ難民を歓迎する準備が必要だ」としながらも、「ハマスの組織員が入国することがないよう審査に慎重を期さなければならない」と説明した。
現在、全面地上戦を準備しているイスラエルは、ガザ地区の住民に避難するよう通知している。これにより、約100万人のガザ地区住民が避難の道を歩んでいると把握されている。
広範な攻撃作戦計画
10月14日(現地時間)、イスラエル軍はガザ地区の住民に避難勧告を出した翌日「パレスチナ市民が南に向かう『大きな移動』を目撃した」と明らかにした。
イスラエル軍はまた「陸海空を通じてガザ地区に合同攻撃をするなど、広範囲な攻撃作戦計画を実行する準備をしている」と明かした。
民間人をいわゆる「人間の盾」として使用することで悪名高いハマスは、ガザ地区の住民にイスラエルの避難命令を無視し「家を出てはいけない」と発表した。
イスラエル軍は「ハマスが道路を遮断し、自分たちの安全のために民間人の南への移動を強制的に阻止している」と指摘した。
ガザ地区の住民の大規模避難が本当に実現可能かどうかについて、ステファン・ドゥジャリク国連スポークスマンは声明を通じて「国連は非常に破壊的な人道的な結果なしに、このような移動は起こり得ないと思う」と懸念を示した。
このようにガザ地区避難民に対する議論が加熱する中、米国でもガザ地区難民問題がホットな問題として浮上した。
米国議会での議論
バイデン大統領は「人道支援がガザ地区の民間人に届き、紛争の拡大を避けるために地域のパートナーと協力している」と述べた。
これに先立ち、米民主党下院議員55人は、イスラエルがガザ地区住民の人道的避難路を開き、無実の民間人の被害を減らす措置を取るように圧力をかけるようバイデン政権に要請した。
議員たちは共同署名した書簡を通じて「イスラエルは自国民を守り、悪質な攻撃に対応する権利がある」としながらも、「イスラエルはハマスのテロに苦しんでいるガザ地区の無実の民間人数百万人を考慮しなければならない」と繰り返し強調した。
いっぽう、イスラエル軍は「ガザ地区で作戦を遂行する間、民間人の被害を避けるために広範な努力をする」と伝えた。
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