中国の複数の銀行は、最近、預金利息を下げ、下げ幅は10ベーシスポイントから40ベーシスポイントに及んでいる。
経済低迷や消費不振という広範な背景のもと、中国共産党(中共)当局は、この措置により国民がより多くの資金を消費に向け、経済を活性化させることを望んでいる。
銀行による預金利率の引き下げは、11月14日に百度のホット検索となった。
10月下旬以降、中国の多くの農業・商業銀行や村鎮銀行(小規模銀行)は、1年、3年、5年の長期預金利率を下げている。下げ幅は10ベーシスポイントから40ベーシスポイントに及ぶ。
これに先立ち、9月1日には、中国大陸の工商銀行、農業銀行、中国銀行、建設銀行、交通銀行の五大国有銀行と招商銀行が同時に預金利率を下げた。
その中で、1年満期の定期預金利率は10ベーシスポイント、2年満期は20ベーシスポイント、3年および5年満期は25ベーシスポイント下げられ、普通預金や3か月、6か月満期の定期預金利率は変更されなかった。
また、同日、興業銀行、光大銀行、民生銀行、平安銀行、浙商銀行、渤海銀行などの株式銀行も人民元の預金利率を下げた。下げられた期間と幅は国有大銀行と同様だ。
中国の銀行が次々と預金利率を下げることについて、東呉證券の固定収益部門のチーフアナリスト、李勇氏は「第一財経」に対して、物価が低く、経済回復が遅れている状況の中で、預金利率を引き下げることによって、人々が預金を崩して消費へ転換することを促す可能性があり、預金利率もさらに下げる余地があると述べている。
今年より、中国の資本市場は繰り返し揺れ動いている。株式、ファンド、および金融商品の純資産の変動は大きく、多くの住民は資金を銀行に預けることを好むようになっている。
さらに、中国経済の低迷は住民の収入減少を招いており、人々は消費を控える傾向にある。これは経済にとってさらなる打撃となっている。
中国国家統計局が発表した今年10月の中国本土の消費者物価指数(CPI)は、前年比で0.2%減少しており、共産党当局が設定した年間CPIの3%増加という目標を大幅に下回っている。
特に、10月の食品価格は4%下落し、中国人の主食の一つである豚肉価格は前年比で30%も下落した。これにより、中国経済は再びデフレの圧力に直面している。
銀行が預金利率を下げたことに対し、中国の民衆は様々な不満を漏らしている。
「預金に利息がつかないから、人々はますます消費を控えるようになるだろう」
「理論的には、消費を促進したいなら商品の値下げをすべきだが……」
「貧しい人には預けるお金がなく、富裕層には影響はない」
「利率をさらに下げても、株を買わず、資産運用せず、盲目的な消費もしない」
さらに、ネットユーザーの中には、「預金をすべて引き出して米ドルに変える。米ドルの利率が高いから」と冗談を言う人もいる。
「米国の利率は5.75%だ。我々が利下げをすれば、資金が米国に流出することを恐れないのか?」との声も聞かれる。
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