[ドバイ 27日 ロイター] – 石油輸出国機構(OPEC)のガイス事務局長は27日、国際エネルギー機関(IEA)が気候変動問題で化石燃料業界を「悪者扱い」していると強く非難した。
ガイス氏が言及したのは、IEAが23日に公表した報告書。そこには化石燃料業界が「正念場」を迎え、生産者は気候危機をより深刻化させる側に立つか、それともクリーンエネルギーに移行するか選択するしかないと記されている。
これについてガイス氏は「われわれが直面する諸課題を矮小化するとともに、恐らくはエネルギー安全保障やエネルギー利用、エネルギーの入手しやすさの度合いといった事象を都合よく軽視している」と主張。さらに化石燃料業界こそが気候危機の「黒幕」であるかのごとく不当な中傷を行っていると付け加えた。
OPECとIEAは近年、長期的な石油需要予測や化石燃料分野への新規投資などを巡って意見対立を繰り返している。
化石燃料需要に関してIEAは、2030年にはピークアウトすると見込み、その理由として電気自動車(EV)の普及加速や中国の成長鈍化、クリーンエネルギーへの移行がより進むことなどを挙げた。
しかしOPECの事実上のリーダーであるサウジアラビアはこれに異を唱え、IEAの示すような見通しにはしばしば、石油・ガス開発への新規投資中止呼びかけが付随しており、それはエネルギー安全保障を危険にさらすと訴えている。
IEAは23日の報告で、化石燃料業界が気候変動対応の一環として二酸化炭素(CO2)の回収技術を利用しようとしていることも「幻想」だと否定。ガイス氏は、国連の気候変動政府間パネル(IPCC)が問題解決策の一つと認定しているこの技術をIEAが幻想呼ばわりしたのは遺憾だと述べた。
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