最近気候学の学位を取得した気候科学者は、実際に気候変動を引き起こしているものについて理解していない。
気候科学者のジュディス・カリー氏は、「本物の」気候専門家グループは縮小傾向にある一方で、警戒論者が急増しており、気候変動問題に関する主流のナラティブ(ストーリー)を支配していると警告した。
気候の専門家には「3つのカテゴリー」があると、カリー氏は10月3日、「メディアパーソナリティ」のジョン・ストッセル司会者とのインタビューで述べた。「1つは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の論点を朗読するのに堪能な人々だ」と彼女は語る。IPCCは、「気候変動に関連する科学」を評価する国連機関だ。
カテゴリーの1番目は「専門家」の例として、カリー氏は、2019年に「地球は火災になっている!」と述べた機械技術者のビル・ナイ氏を挙げた。ナイ氏のような人々は「このようなことについて話はできるが、本当のことを理解してはいない」とカリー氏は語った。
「次に、2番目のカテゴリーは、実際にある程度の理解があり、国連気候報告書の全文を読み、実際に理解できる人々だ」
「そして、3番目は、つまり本物の専門家であり、すべてを批判的に評価できる人々である。しかし、残念ながら、この3番目のカテゴリーは、気候分野の他の部分が爆発的に増加しているため、相対的に縮小している」
「現在では、カテゴリー1が優勢になっており、ビル・ナイ氏のように、専門家であると判断され、これについてすべてを話している人々だ」とカリー氏は付け加えた。
50年代、60年代、70年代の気候科学者は、地球物理学的流体力学や気候力学などの分野で「非常に厳格な教育」を受けたため、気候変動の主流ナラティブについて「より懐疑的」だ。
カリー氏は、そのため、彼らは循環パターンや何が気候に起きているかを理解することができたと言った。
しかし、最近の気候研究で学位を取得した気候科学者が、気候変動の原因について知っていることは、IPCCの論点を暗唱する方法だけであり、問題を理解しているとは思えない。
気候プロパガンダと大学政治
インタビューで、気候変動のプロパガンダを知っている科学者がいるのに、なぜ反発しないのかと尋ねられたとき、カリー氏は、制度的圧力や資金提供などの理由を挙げた。
「気候過激主義に反対する人が大学で働くとしたら、非常に不快な事態になるだろう」と彼女は語った。「最近アラバマ大学を去った若い地質学者がいたが、在職中、こうしたゲームをプレイしたくないのだと言っていた」
「そして、私のように早期に引退する者がおり、何人かは我慢して、要職にいる友人たちとうまくやりながら、やっていく人たちもいる」
カリー氏は2017年にジョージア工科大学を退職した。彼女の投稿したブログの中で、引退について詳しく述べている。彼女は「決定的な要因は、気候科学分野で“狂気”をナビゲートする方法について、学生やポスドク(博士研究員)に何を言ったらいいのかわからなくなったことだ」と述べた。
「研究やその他の専門的な活動は、政治化された学術機関によって承認された特定の方向に合致している場合にのみ報われ、資金提供、論文出版、雇用や昇進、権威ある委員会や理事会への参画、専門的な認識などに便宜が図られる」と彼女は書いている。
「若い科学者たちに対して、これらをどのようにナビゲートするかは自分を超えており、それはしばしば、科学的完全性を追求するのかキャリアを求めるのかという戦いになる」
10月3日のインタビューで、カリー氏は、気候過激主義に反対する声を上げるのは、退職した人々と民間部門の労働者だけであると指摘した。
なぜそのような気候過激主義が推進されているのかについて「彼らは環境保護主義者であり、政治姿勢として、化石燃料をなくすことを望み、反資本主義、反民主主義を掲げている。大学全体が病気にかかっている」とカリー氏は答えた。
「大学はほとんどの場合非常にリベラルな場所だが、健全さの要塞もいくつかある」と彼女は語る。「すべての大学ではないが、ブルーステート(民主党支持)の州立大学であれば、そうした事態になる」と彼女は述べ、人騒がせな気候研究を推進する圧力に言及した。
そして「そのような過激主義が推進されている理由は、大学の資金と関係がある」と彼女は述べた。「大学が、大きな気候研究所、新しい建物などのために多額の寄付を望んでおり、寄付者の多くが気候過激主義への信仰を持っているとしたら、大学は彼らの方針に従うのだ」
科学者は気候過激主義に反対する
多くの科学者が気候警戒主義に反対する立場を取っている。1月、グローバル・クライメート・インテリジェンスグループ(CLINTEL)は、1600人以上の科学者と専門家によって署名された世界気候宣言を発表し、「気候緊急事態はない」と述べた。署名者には、米国からの321人の専門家が含まれている。
CLINTELは、地球の気候はそれが存在する限り変化しており、地球は何回かの寒冷期と温暖期を経験していると指摘している。小氷河期は1850年に終わったばかりだという。
気候宣言には「従って、私たちが今温暖化の時期を経験しているのは当然のことだ。気候科学は、健全な自己批判的科学ではなく、信念に基づく議論に退化してしまった」と書かれている。
昨年のエポックタイムズとのインタビューで、1986年に組織を去ったグリーンピースの創設者の一人であるパトリック・ムーア氏は、主流メディアによって広められている気候緊急事態のナラティブを非難した。
IPCCは「科学組織ではない」と彼は述べた。代わりに、IPCCは、世界気象機関と国連環境計画で構成された政治組織だ…IPCCは科学者を雇い、気候緊急事態のナラティブを裏付ける情報を提供している。
「化石燃料、原子力、CO2、プラスチックなどに対する彼らのキャンペーンは見当違いだ。IPCCは、私たちが文明を麻痺させ、経済を破壊しない限り、世界は終わると人々に思わせようとしており、環境と人類文明の両方の未来に悪影響を及ぼしている」
エポックタイムズの出版物 『How the Specter of Communism is Ruling Our World』で、著者たちは環境主義の政治化と、左翼がどのようにして、権威主義を擁護する方向に気候のナラティブを誘導しているのかを説明している。
「環境科学は複雑な研究分野であり、気候変動などに決定的な発見ができる段階にはない。ほど遠い現状だ。一方、多くの「グリーン」活動家や組織は、左翼イデオロギーの影響下で、環境保護を単純化し、高度に政治化された闘争に変え、極端な方法や過激なナラティブを採用している。宗教的熱情を利用することさえある。
「過激な左派環境保護主義者は、穏健と保全という古代の教えに従うのではなく、民間企業から生殖まで、環境保護主義の「敵」と見なすすべてのものに対して反対運動を起こし、道徳と伝統から遠ざけようとしている。『the green cause(環境保護運動)』は、他の過激な運動と一緒になり、誤解を招くプロパガンダと権威主義的な政治的措置によって定義されるようになり、環境主義を一種の『お手軽版共産主義』に変えた」
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