独裁国家では、投獄された無実の人々の意志を打ち砕くために究極の拷問を加える場所として、刑務所が使われている。そのような国の一つが共産主義の中国である。
中国での牢獄生活を生き延びた囚人たちは、これらの暗い巣窟を「この世の地獄」と呼んでいる。そこでは、罪のない市民、特に中国共産党政権のイデオロギーに沿わない人々が投獄され、強制労働や精神的、身体的拷問を加えられている。
ここでは、無実の市民や信仰のために投獄された良心の囚人が、日常的に拷問を受けている中国の刑務所や秘密施設を取り上げる。
「合法」な教育センター
中国の人権弾圧を取り上げるオンライン雑誌「Bitter Winter」によると、全能神教会のキリスト教徒4人は、中国の西安市にある教育センターに60日間近く強制収容された。彼らは教会を中傷するビデオを見させられ、信仰を放棄する声明を書くことを強制された。
以前この施設に拘留されたことのあるキリスト教徒は、警察官に脅され「お前を殺すのはアリを殺すのと同じだ」と暴言を吐かれたとBitter Winterに語った。彼によれば、この教育センターはまるで刑務所のようだったという。
「施設に入るには、重い鉄の鎖でつながれた黒い門を通らなければならなかった。地獄にいるようだった」
法輪功情報サイト「明慧ネット」によると、この教育センターには警察官が常駐している。入所にはいかなる書類や法的手続きも必要とせず、法輪功学習者は信仰を理由に不当に拘禁され、洗脳や拷問を受けている。
法輪功は「真・善・忍」を重んじる中国の伝統的な修煉法だ。心身の健康と道徳性の向上に顕著な効果が見られるとして人気を博したが、中国共産党はこれを脅威とみなし、1999年7月から弾圧政策を実施している。
女子刑務所での「凶悪な拷問」
明慧ネットは2022年の報告書で、受刑者が女性の法輪功学習者を裸にして虐待したという「おぞましい」拷問事件を取り上げている。
遼寧省第二女子刑務所に収監されていた50代の女性、金紅さんは信仰を理由に4年の刑期で服役していたが、金さんは2021年に刑務官の命令で9人の受刑者から拷問を受けた。
明慧ネットは虐待の詳細を次のように記している。
「数人の受刑者は金紅さんを裸にし、体に大量の虫をつけ、手首を上段のベッドの手すりに縛り付けて吊るした。彼らは彼女の足を下の段の踏み台にテープで固定した。そして、彼女の頭にビニール袋をかぶせ、水の入ったペットボトルで頭を殴り始めた。金さんは窒息しそうになり、気を失った。その後、1人の受刑者が彼女の乳首をつまみ、2人目の受刑者が彼女の陰毛にテープを貼って引っ張り、3人目の受刑者が彼女の腹部を蹴り、4人目の受刑者が水虫に感染した足でジンさんの陰部を突いた」
この刑務所は、法輪功学習者への拷問を実施する悪名高い施設として知られ、学習者たちに危害を加えるために様々な方法を考案しており、刑務官はしばしば受刑者に減刑を提案し、虐待を実行するよう促している。
幽霊屋敷
遼寧省女子刑務所の第5区にある小部屋は、法輪功学習者を拷問するために使われている。それを目撃した学習者の一人は、この部屋を「幽霊屋敷」と呼んだ。
悪夢のような体験について、遼寧省鞍山市の張光媛さんは明慧ネットに次のように語った。
「冬の最も寒い時期に大連市の女性法輪功学習者のオーバーコートに冷水を注ぎ、中庭に立たせた。当時は雪が降り、気温はマイナス18度だった。彼女は信仰を放棄することを拒んだため、看守らはトイレ吸引器を彼女の口に容赦なく押し込んだ。彼女は1か月以上にわたり迫害を受け続け、精神障害を負った。彼女の目はうつろになり、排尿や排便を自身でコントロールすることができなくなっていた」
「その後、彼女はハンガーストライキを行い、死の床に縛りつけられて強制摂食された。彼女の下半身は20日ほどで化膿し始めた。病棟は彼女を精神病患者として扱い、刑務所内の精神病患者用の宿舎に連れて行った。私は彼女のそばを通りかかったことがあるが、彼女はベッドで丸くなり、両手を後ろで縛られ、両足も縛られ、口にはテープが巻かれていた」
江西省女子刑務所
江西省女子刑務所も、良心の囚人を迫害するために使用される施設だ。明慧ネットによると、同刑務所に収監されている法輪功学習者は、神経に損傷をきたす薬物を注射されたり、ベルトや拘束衣で縛られるなど、残忍な拷問を日常的に受けているという。
法輪功学習者の羅春荣さんは刑務所に収容された当初はとても健康だった。しかし、刑務所の医師は彼女に高血圧があると主張し、羅さんに千錠以上の薬を飲むよう強制した。その後、薬の副作用で彼女はガンを発症し、寝たきりになった。
それから1年後の2019年5月、彼女は激痛のなかこの世を去った。
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