今年のクリスマスイブ、なんとも楽しい話題が台湾から届いた。中華民国(台湾)外交部の公式ツイッターは、同国の外交部長・呉釗燮氏が、サンタさんからの贈り物を次々と取り出して紹介していく内容の動画を公表した。
米国仕込みの流暢な英語で語る呉釗燮氏の頭には、なんとクリスマスコスプレの「トナカイの角」つきである。
一国の外相が、このコスプレで大陸側の中共を嗤(わら)った。
中共そのものを直接批判などはしていない。しかし、なんともユーモラスで、ウイットに富んだそのパフォーマンスは、やたらにミサイルを撃って恫喝する中共の軍事演習よりも、かえって効き目がある「お返し」であるかもしれない。
さて、お楽しみのプレゼント袋から出てきたのは、いずれも中国によって輸入禁止措置がとられている物品の数々だった。呉釗燮氏は、それぞれの品名の頭に「フリーダム(自由)」の言葉をつけて、一つひとつ袋から取り出してゆく。
サンタさんが呉部長に贈ったというプレゼントは「豪州のフリーダム・ワイン」にはじまり、「日本のフリーダム北海道産ホタテ貝」「リトアニアのフリーダム・チョコレート」などなど。
次は、まさに「汚名」を被って散々な目に遭った「青島ビール」かと思いきや、瓶の色やラベルのデザインがよく似た「台湾のフリーダム・ビール」だった。
そして最後に袋から出てきたのは、なんと中国でもここ最近、再びホットな話題になっている「卵チャーハン」だった。
呉部長は、これを「フリーダム・卵チャーハン」と呼んだ。しかも「おお、これはすごくいいね(very good !)」という前置きのセリフ付きで紹介している。
このツイートをシェアした時事評論家の唐浩氏は「(呉部長の動画は)深刻な『辱共事件』だ」「この卵チャーハンは、美食家の王剛氏から取り寄せたのかな」などと、皮肉たっぷりのコメントをしている。
呉部長は動画の最後に「世界中の自由を愛する仲間たちよ、メリークリスマス。そしてハッピーニューイヤー」と挨拶をした後、ラストの2秒間、なかなか意味ありげな「ドヤ顔」で締めくくった。
さて、日本の政治家の先生方にも少しはマネしていただきたい「お見事な外交」であったと言ってよいが、岸田さん、上川さん、いかがでしょうか。
(クリスマスのお祝いの品々をユーモラスに紹介する、台湾の外交部長・呉釗燮氏)
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