盛況の神韻京都公演、ダンサー親子が感得「正しい行いで人は救われる」

2024/01/04 更新: 2024/01/04

ニューヨーク発、中国古典舞踊と音楽を通して失われた伝統文化の復興を目指す神韻芸術団は現在、日本で巡回公演を行なっている。3日、中国文化の影響を強く受け、千年以上の歴史を有する古都・京都での公演初日を迎えた。会場のロームシアター京都メインホールは、昼夜の2公演とも満場となり、劇場いっぱいの観客が悠久の美を堪能した。

ダンサー親子が絶賛「美しさが心に響きました」

「一人一人のレベルが高く、動きが揃っていて、美しさが心に響きました」。こう語ったのは、モダンバレエ教室でインストラクターをしている森下昌美さんと娘の森下りのさんだ。

お二人ともダンサーとして、神韻の舞踊における完成度に感銘を受けていた。「フォーメーションや衣装、劇の表現がとても参考になりました」「あれだけの人数があれだけ揃っているのは凄いし、舞台の後方までとても綺麗でした」とそれぞれ語った。

神韻公演は、古典舞踊や舞踊劇、オリジナル歌曲の独唱、中国楽器の独奏など、約20の短い演目から構成される。「様々な構成を見ることができて面白かったです。男性舞踊は女性には出せない線が出ていました」と、りのさんは語った。特に、咲き誇る花々を扇子で表現した女性の民族舞踊が気に入ったという。

神韻では、舞踊に合わせてオーケストラがオリジナル楽曲を演奏する。「生演奏のオーケストラはやっぱりいいですね。二胡などの珍しい中国楽器を聴けて、とても良かったです」

舞台後方に様々な光景を映し出すデジタル背景幕は、演者と一体となって観客に臨場感をもたらす。「水に飛び込んだり空を飛んだり、ちょっとびっくりしました。タイミングが合わなければあの感動はないですね」「とても面白かったです」とお二人で楽しんでいた。

2024年1月3日夜、モダンバレエ教室でインストラクターをしている森下昌美さんと森下りのさんが、神韻ニューヨーク芸術団のロームシアター京都メインホールでの第2回公演を鑑賞した。(肖蕾/大紀元)

神韻は公演全体を通して、伝統的な道徳観を伝えている。りのさんは、危機の時代における信仰と救済を描いた最後の演目が「一番分かりやすくて素敵だった」という。

「真善忍とちゃんと書いてあって、その通りに行動した人が救われた。正しい行いをしましょう、という考え方は日本にもあるじゃないですか。だから違和感は全くないし、素敵な考え方だなと思いました」

一年の初めに親子で神韻の中国古典舞踊を堪能し、それぞれダンサーとしての意欲を高めた様子だった。

「もっと練習しようと思います。個々のレベルを上げなければいけないけれど、統一美も大事だと思いました。ダンスをしてる人に、勉強向けに神韻を勧めると思います」と昌美さんが語ると、りのさんも「表現力をもっと身につけたいなと思ったし、小物や衣装など、細部にまでこだわった美しさが見えてよかったです」と続けた。

「海外で自国の文化の奥深さ感じた」中国人女性が衝撃受ける

この日、2ヶ月前に来日したばかりという中国人女性の趙さんが公演を鑑賞した。「海外で自国の文化の奥深さを感じて、衝撃を受けました。五千年の歴史が目の前で生き生きと表現され、とても興奮しました。胸が熱くなりました」と語った。

出征した夫の帰りを待ち続ける女性の物語や、師匠を救出すべく奔走する孫悟空の物語など、中国に古くから残る題材を扱った舞踊劇に感銘を受けたという。趙さんは、現代中国の若者に対する「教育的効果」を見出していた。

「私たちは小さい頃にこれらの物語を映画で見ました。これらの歴史的記録は人々の心を開き、文化の奥深さを感じさせます。拝金主義や浪費癖に染まった今の若者を教育することができると思います」

神韻の団員は、徳を養い座禅で心を鍛えるといった中国古来の精神的な伝統を踏襲している。趙さんは、「彼らは間違いなく、私たちのような普通の人には到達できない、ある種の精神的な修養を積んでいますね」と、修練文化の趣を感じ取っていた。

今後は後続の世代に伝統文化の大切さを伝えていきたいという。「私は母親として、子供たちに正しいことをするよう教え、歴史上のすべての故実に人間としてのあり方が描かれていることを伝えます。そうすれば、より良い未来を築けます。伝統文化を継承し発揚することができるよう、子供たちに伝えたいと思います」

「神韻が伝える思想や考え方が好き」毎年恒例の鑑賞

2024年1月3日午後、社会福祉法人理事長の風早浩一さんが、神韻ニューヨーク芸術団のロームシアター京都メインホールでの第1回公演を鑑賞した(牛彬/大紀元)

「私は伝統的な中国が好きで、特に神韻が伝える思想や考え方が好きなんですよ。毎年とても楽しみにしています」

この日、社会福祉法人の理事長を務める風早浩一さんが公演を鑑賞した。風早さんは、毎年この時期になると神韻公演に訪れる、いわゆる“リピーター”だ。

風早さんは昔から中国文化に親しんできたという。「僕は中国の色彩が大好きなんです」と見どころを語った。神韻のホームページによると、伝統的な審美眼に基づいて作られる神韻の衣裳は、観客に心地よさや希望をもたらすという。

「女性の舞踊はものすごく綺麗で、男性の舞踊はアクロバットなものが素晴らしい。鍛えられているというのが伝わってきますね」と舞踊の技術力を讃えた。

天上界の壮麗さとともに修養の美徳を感じたという。「あちらの世界にはお釈迦様がいらっしゃって、私たちを見守って下さっている。だから、徳を積むとか、道徳だとか、日本にも中国にも共通するものがあると思うんです。スムーズに受け入れられます」

伝統的な中国は大好きだが、今の中国は好きではないという風早さん。神韻が中国本土で上演できない現状に対し、「中国では自由な表現や発言が制限されることが多い。早く自由になってほしいと思う」と訴えた。友人には「是非とも、会場で生で観て」 と神韻を勧めるそうだ。



ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は失われた中国伝統文化の復興を掲げ、世界各国の劇場で毎年一新した演目を披露している。現在、8つの同規模の芸術団を抱え世界中で巡回公演を行なっている。神韻2024日本公演は名古屋会場を皮切りに、2023年12月22日から2024年2月16日にかけて、全国12会場で42公演を挙行する。

公演のチケットはチケットセンター(0120-91-8487、午前10時〜午後6時)のほか、公式ホームページから購入することができる。チケットぴあや楽天チケット等、大手チケット予約サービスでも取り扱いがある。

大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。

大紀元報道記者。東京を拠点に活動。