韓国国会は9日、食用を目的とした犬の飼育や食肉処理などを禁じる法案を208対0で可決した。2027年に発効する。違反した場合、3年以下の懲役または罰金3千万ウォン(約330万円)が科される。
韓国では何世紀にもわたって犬肉を滋養食として食べる習慣があったが、動物愛護団体による抗議活動や、犬をペットして飼う家庭が増え、犬食禁止を支持する声が高まっていた。愛犬家で知られる韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人も犬食に強く反対していた。
法案には犬肉業者の転業を支援する財政支援が盛り込まれた。韓国の農業省によると、国内には1100以上の犬飼育場があり、約1600のレストランに犬肉を提供しているという。
韓国人道協会国際事務局長の蔡正雅氏は、法案可決を受けて「この禁止令は、韓国の動物保護に対する姿勢に大きな転換点をもたらすもの」と強調した。
動物愛護団体「アウェア」の世論調査によれば、93.4%が「今後犬肉を食べるつもりはない」と答え、前年に行った調査の88.6%を上回った。
また、94.5%の回答者が「過去1年間に犬肉を食べたことがない」と答えており、犬食はごく一部の人々にしか親しまれていないことがわかった。犬肉を食べたくない理由としては「感情的に嫌悪感を覚える」との回答が圧倒的に多く、ついで「犬の繁殖と屠殺の残酷なプロセスに問題がある」となった。
一方で、犬肉ブリーダーや販売業者は反対している。食用犬は屠殺される際に感電死するか絞首刑に処されるとの動物愛護団体の主張に対して、業者らは現在は屠殺がより人道的になっていると強調した。
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