<全文>欧州議会で法輪功迫害非難決議が採択 「臓器収奪の報告、頻繁に届く」

2024/01/19 更新: 2024/01/19

欧州議会で18日、中国共産党による法輪功や他の少数派に対する迫害を非難し、停止を求める決議が採択された。こうした迫害と組織的な無実の囚人からの臓器収奪は「頻繁に」報告されているとし、加担者に対して制裁を課すようEU加盟国に求めた。

決議は、法輪功迫害政策を実行するのは「中国」ではなく「中国共産党」と指摘し、「1999年以来、法輪功宗教運動を根絶するための体系的な迫害に従事」、「迫害の結果として拘留、心的虐待、信仰の強制放棄、臓器摘出に遭っているとの報告を頻繁に受け取っている」とした。

このほか、当局に不法逮捕された丁元徳さんと馬瑞梅さん夫婦のケースをあげた。山東省日照市在住の2人は昨年5月、不当に逮捕された。ドイツ在住の息子・丁楽斌さんが両親の釈放を訴えたため、一家は警察からさらなる圧力を受けている。

法輪功(ファールンゴン)は中国の伝統的な気功修煉法として、1992年に伝え出された。「真、善、忍」の教えを重んじ、坐禅とゆったりとした動作で心身の状態を高めていくものだ。

1999年以降、数百万人の法輪功学習者は拘置所や労働収容所、刑務所そして精神病院に拉致監禁されてきた。生きている法輪功学習者から臓器を摘出し、移植用に売買する「臓器狩り」という国家ぐるみの犯罪が横行している。

<決議全文>

欧州議会 2024年1月18日

採択文書

中国における法輪功の継続的な迫害、特に丁元徳氏のケース
– 中国に関する以前の決議に関する考慮に鑑み、 
– 手続規則の144(5)条および132(4)条に関する考慮に鑑み、

  1. 1999年以来、中国共産党は法輪功宗教運動を根絶するための体系的な迫害に従事していること、中華人民共和国において宗教的信仰の自由が悪化していること、この抑圧には技術ベースの検閲と監視が中心であること、中華人民共和国憲法第36条が市民は宗教的信仰の自由を享受しなければならないと規定していることに鑑み、
  2. 1999年以来、中国共産党の迫害の結果として何千もの法輪功修煉者が死亡したことが記録されており、修煉者は頻繁に拘束され、拷問、心理的虐待、臓器摘出を受けて彼らの信仰を放棄することが報告されていることに鑑み、
  3. 2023年5月12日に法輪功修煉者である丁元徳氏と妻、馬瑞梅氏が逮捕状なしに逮捕されたこと、馬瑞梅氏は保釈されたが、彼らの息子が海外で開始した救出キャンペーンのために警察によって脅迫されたことに鑑み、
  4. 丁氏が8か月間家族との面会なしに拘留されたこと、2023年12月15日に彼は3年の懲役と1万5千元の罰金の判決を受け、その判決に上訴したことに鑑み、
  1. 中華人民共和国に対して、法輪功修煉者およびウイグル人やチベット人を含む他の少数民族への迫害を直ちに終わらせるよう強く要請し、丁氏および中国におけるすべての法輪功修煉者を直ちに無条件で釈放するよう要求する。
  2. 中華人民共和国に対して、国際法および自国の憲法に基づく義務を順守し、宗教の自由を尊重し保護するよう求める。
  3. 欧州連合加盟国に対して、中華人民共和国との引き渡し条約の停止を求める。
  4. 人権、民主主義、法の支配が欧州連合と中国の関係の中心であるべきことを強調し、法輪功修煉者への迫害に関する国際的な調査を支持し容易にするよう欧州連合とその加盟国に求める。また、全ての政治的および人権に関する対話でこの問題を取り上げるよう呼びかけ、加盟国と欧州連合代表部が中華人民共和国における裁判を監視するよう求める。
  5. 欧州連合とその加盟国に対して、中国での臓器移植乱用を公に非難し、欧州連合グローバル人権制裁体制および各国の人権制裁体制を使用して、中国および海外で法輪功修煉者への迫害に加担した全ての加害者および団体に対して制裁を加えるよう求める。欧州連合の措置はビザの拒否、資産の凍結、欧州連合領土からの追放、犯罪訴追、国際的な刑事告訴を含むべきであると強調する。
  6. この決議を欧州連合機関、加盟国の政府および議会、および中華人民共和国の政府と議会に転送するよう議長に指示する。
日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
関連特集: 法輪功迫害