確かに「生命可以輪回、高考只有一次」と書いてある。
生命は輪廻転生すれば何度も得られるが、高考(大学入試)は一度しかない。
要は「命よりも、受験を重視せよ」と言いたいらしい。これが中国の高校の教室に掲げられたスローガンであるという。教育というより、もはや「狂気」に近い。
それほど中国の大学入試制度は、学生に巨大なプレッシャーを与えている。中国の大学受験は、毎年6月上旬に2日間かけて行われる「普通高等学校招生全国統一考試(高考)」の1回のみ。つまり完全な「一発勝負」で大学の合否が決定する。高校の卒業は7月である。
従来、お正月休みは3日間であるが、なぜか今年、江蘇省は珍しく高校3年生に「25日間の正月休み」を与えた。その江蘇省と言えば「大学受験の最難関省」として知られている。
そうなった原因について、このような噂がネット上に飛び交っている。「休みが少ないプレッシャーに耐えられない学生が絶望して、江蘇省南通市の高校生が5人、相次いでビルから飛び降り自殺したからだ」。
そのほか、自殺した学生の人数はもっと多く「6人、7人、いや17人は飛び降りている」という情報もある。
そのため「江蘇省で学生5人が連続して飛び降りた。引き換えに手に入ったのは、25日間の長期休暇だ」とするトピックスが中国SNSで拡散され、一時は中国版TikTok抖音での人気話題になった。しかし現在、これに関連する情報はほとんど削除されている。
中共当局は、省ごとに異なる大学入試政策をとっているため、他省と比べた場合の公平性については問題があると言われている。なかでも江蘇省は受験者人口が多いため、大学に合格するのが最も難しい省の1つとなっている。
他省では近年、学生が受けるプレッシャーを軽減する政策を実施している。しかし、江蘇省と浙江省では、依然としてそのような政策はとっていない。
(2024年1月29日、中国のある学校は、地元の消防署と口論になった。学校側は、生徒の飛び降り自殺を防ぐため、校舎の窓などに鉄の柵や金網を設置しようとした。いっぽう消防署は、火災発生時の避難に影響することから、消防上の理由でこれに反対している)
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