中国では、全国統一大学入試「高考」が終わると、受験生は自分の点数で入れそうな大学を選んで出願する。この志望校選びを間違えると、本来合格できた大学にも落ちてしまうため、多くの受験生や保護者が最も神経を使う場面だ。
これまでは高校の教師や受験指導の専門家に相談しながら志望校を決めるのが一般的だった。しかし今年は、その役割をAIが急速に担い始めている。
中国の大手IT企業は無料の「AI志望校診断」を次々と公開し、多くの受験生や保護者が利用。短時間で数十校の候補を提示してくれる便利さから、一気に普及した。最近では、まずAIで志望校の候補を作成し、その結果を持って進学相談に行く家庭も増えており、専門家との相談時間も短くなっているという。
しかし、同じ受験生の成績を複数のAIで診断すると、「挑戦校」「安全圏」の判定や推薦される大学は大きく食い違った。地方大学では古いデータや誤った情報をもとに、実際には募集していない学科を勧めるケースまで確認されている。
専門家は、多くの受験生が同じAIの推薦に頼れば、特定の大学や学部に志望者が集中し、かえって不合格者が増える可能性もあると警鐘を鳴らす。
一方で、AIにも限界がある。どの学部を選ぶか、希望する都市で学ぶか、家庭の経済状況をどう考えるか、将来どんな仕事を目指すのかといった人生に関わる判断は、AIだけでは決められない。便利なAIは進路選びを効率化する道具にはなっても、人生を左右する最後の決断まで任せられる存在ではないようだ。
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