現地時間2月10日、上川外務大臣と、フィアメ・ナオミ・マタアファ・サモア独立国首相兼外相は、24億100万円を限度とする無償資金協力「サモア国立大学保健科学学部施設整備計画」に関する書簡の署名・交換を行った。

サモアは、ウポル島とサバイイ島の主要2島及びその他7つの小島から成る島嶼国である。保健セクターは、医療従事者不足、施設の老朽化、予算不足等の問題を常に抱えており、特に保健医療人材の育成に対するニーズが大きいとされている。さらに、2019年に同国内で麻疹が大流行した際、予防接種に係る資機材等は、ドナー支援により整備されていたものの、専門知識を十分に有している医療従事者の不足により、十分な接種率を維持できなかったという問題がある。近年、保健医療分野における教育の充実の必要性が指摘されている。

この計画は、首都アピアにあるサモア国立大学保健科学学部において、医師及び看護師養成のプログラムを実施する保健科学学部教育実習棟の建設及び関連機材を整備するものである。これにより、保健医療分野における教育の質の向上を図り、もって保健人材の育成強化を通じた同国の保健医療体制の脆弱性の克服に寄与することが期待される。

日本は、2021年7月に開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「太平洋のキズナ政策」の下、「持続可能で強靱な経済発展の基盤強化」及び「新型コロナウイルスへの対応と回復」、「人的交流・人材育成」を含む支援の重点分野を表明した。これらの協力は同表明を具現化するものでもある。