2月13日、コートジボワール共和国のアビジャン市において、杉山弘樹臨時代理大使は、キャロル・フロール・スメルクシュニアック国際連合開発計画(UNDP)のコートジボワール事務所代表と、供与額4.93億円の無償資金協力「持続可能な社会的結束のための市民保護強化計画(UNDP連携)」に関する書簡を交換した。
コートジボワール政府は、地方の災害対策として、市民保護局(ONPC)を本部とする災害緊急支援センター(CSU)を、国内全州に設置することを、2014年に決定した。また、同国では、2011年の内戦終了後から武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)プロセスによる平和構築を推進しており、旧反政府軍の戦闘員(元戦闘員)の社会復帰の取組としている。元戦闘員を防災活動等に従事する市民消防士として再雇用する措置を取り、多くの元戦闘員がCSUに配備されている。
現在、合計38のCSUが整備され、2621名の市民消防士が活動しているが、依然として一部のCSUでは施設整備や機材配備は不十分である。特に北部国境沿いにある3都市(ドロポ市、フェルケセドゥグ市、テングレラ市)は、難民急増に伴う人口増加により自然災害・人為的災害で被害者が発生するリスクが高まっており、難民の多くが災害対策の知識を有していないため災害脆弱性も高まっている。また、気候変動の影響により洪水被害の甚大化が深刻となっている。南部2都市(グランバッサム市、ダブー市)のCSUについては、早急な対応能力の強化が喫緊の課題である。
この協力は、コートジボワールの5都市のCSUにおいて、施設の整備、防災対策関連機材及び能力向上支援等を行う。防災対策能力の強化及び市民保護対応能力不足に起因する社会連帯の崩壊リスクの低減を図り、安全で安定した社会の維持に寄与するものである。
日本は、2022年8月に開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD8)において、防災分野における人材育成や、対話と信頼を重視した行政サービスの改善を通じたコミュニティの基盤強化への取組を表明している。また、昨年5月に岸田文雄首相が、サヘル地域とギニア湾沿岸諸国の平和と安定に寄与し、持続可能な成長を促進するため、今後3年間で約5億ドルの支援を行うことを表明した。この協力は、これらの表明を具体化するものだ。
コートジボワール共和国の面積は約32.2万平方キロメートル。2022年、世界銀行が発表したデータによれば、人口は2816万人、人口1人当たり国民総所得(GNI)は2620米ドルだった。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。