「トランプ氏の言葉ばかり注目するのではなく、その実績を見るべきだ。彼は在任中、NATOの能力向上に力を尽くしたのだ」。ロシアと国境を接する小国・エストニアの歴史家アンティ・プーラメッツ氏はエポックタイムズの取材にこう語った。ウクライナに対戦車ミサイル「ジャベリン」の供与を最初に決めたのもトランプ政権だとし、リベラル派によるトランプ攻撃は「公平性に欠く」と指摘した。
プーラメッツ氏はエストニアの保守系国会議員だ。2月20日放送のエポックタイムズのインタビュー番組「米国思想リーダー」に出演し、自国の防衛力を高めることの大切さを訴えた。
「トランプ氏の主張はまっとうだ。ヨーロッパで大きな戦争があるから、国防支出を増やすべきだと言った。多くの国の防衛費はGDP比で1%以下だった。トランプ氏の発言を受けて、NATO諸国は実際に軍事予算を増額し始めた」
リベラル派や多くのメディアは、トランプ氏の発言の一部を取り上げ、厳しく批判している。これに対しプーラメッツ氏は「特に防衛支出がGDP比2%に達してない国にとって、トランプ氏の言葉は衝撃的だっただろう。だから、その言葉の真意を掴むのが重要だ」と指摘した。
「トランプ氏は結果至上主義だから、その発言は国際的な混乱を引き起こした。リベラル派は彼を批判しようとしたが、それは非常に公平性を欠いている」。
エストニアは現在、防衛支出がGDP比3.3%に達し、隣国のラトビアもトランプ氏の呼びかけに応じている。プーラメッツ氏は歴史的観点から、ロシアによるウクライナ戦争は、居眠りをするリベラル派を呼び覚まし、現実を直視させたと分析する。
「リベラル派はしばらくの間、歴史の終わりが近づいていると考え、徴兵制廃止や、ロシアとのビザ無し渡航を主張していた。しかし今、彼らは目を覚ました。フィンランドや、200年に渡り中立を保ったスウェーデンもNATOに加盟した。これはプーチンにとって大きな誤算だっただろう」
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