岸田文雄首相は日本時間の9日朝、米ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した。日本の首相が国賓として米国を訪問するのは9年ぶり。今回の訪米では、日米両国の防衛関係のアップグレードが期待されている。
中国共産党がインド太平洋地域で軍事的威圧を強めるなか、米国にとって地域における基盤的同盟国は日本だ。岸田首相は10日にバイデン大統領と会談し、11日には上下院議会合同会議で演説する予定だ。
岸田首相は出発前、現在の地政学的緊張の高まりにより、世界が「歴史的な転換点」に立たされていると訴えた。この状況から日本は安全保障政策を展開し、防衛力を強化せざるを得ない状況にあると強調した。
岸田首相の訪米期間にフィリピンのマルコス大統領も訪米し、3か国の首脳が初の日米比首脳会談を開催する予定もある。南シナ海における海上協力の強化を狙う。岸田首相は、日米比3か国の協力がインド太平洋地域の平和と安定、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持に不可欠であると語っている。
報道によると、今回の日米首脳会談では、次世代の小型モジュール炉などの原子力発電所の共同開発、フィリピンでの関連調査や人材育成の支援、AI、半導体、量子技術などの最先端分野での協力強化、米国主導のアルテミス計画での月探査協力など、多くの重要な合意が達成される見通し。
米英豪は8日、AUKUSを通じて日本と先進的能力プロジェクトで協力することを検討していると明らかにした。3か国の国防相が発表した共同声明では「日本の強みと3か国それぞれとの緊密な二国間防衛パートナーシップを認識し、AUKUS第2の柱である先進的能力プロジェクトにおいて日本との協力を検討している」と述べられた。
日米首脳会談を前に、ワシントンで行われたイベントで、ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、日本がAUKUSに加われば防衛産業の活性化につながると述べた。欧州や他の国々と比べて、日本は高度な産業能力を有しているため、この点で優位性があるとした。
専門家は、日米首脳会談で同志国間の防衛協力議論は深まると分析する。
米戦略国際問題研究所の専門家クリス・ジョンソン氏は、米国のインド太平洋地域の主要同盟国が同時に強化されるのは、冷戦終結以来初めてのことだと指摘。日米が発表する重要な協力は、潜在的な敵対国に明確なメッセージを送ることになるとした。つまり、日米は準備を整えており、中朝露は「誤った判断をすべきではない」という抑止だ。
米上院共和党院内総務のミッチ・マコーネル氏は、岸田首相の訪米を歓迎すると表明した。同氏は、米国の同盟国とパートナー国が直面する脅威の深刻さと相互関連性を次第に認識していると指摘した。米国が自国の安全保障の最重要の守護者であり続けるためには、率先垂範しリーダーシップを発揮する必要があると述べた。
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