4月24日、米宇宙コマンド司令官スティーブン・ホワイティング大将が日本を訪れ、中国の宇宙軍事力の異常な増強に対して警告を発した。ホワイティング司令官は木原防衛相、統合幕僚監部議長、航空自衛隊長や航空宇宙事業本部長等の要人と対話し、宇宙領域における日米同盟のさらなる強化に向けた協力を確認した。
ホワイティング司令官は、中国の宇宙活動が急速に進展していることに対して深刻な警戒を示した。特に、中国が宇宙を使ってその軍事的野心をさらに前進させようとしている点が強調された。
近年、中国は宇宙でのプレゼンスを大幅に増やし、特に監視・偵察衛星の数を急激に増加させ、それにより地上の軍事力をさらに強化しているとされいる。このような動きは、アメリカにとって明らかな脅威であり、それに適切に対応するための監視と警戒体制の重要性をホワイティング司令官は力説した。
4月24日、ホワイティング司令官は記者会見で「米国宇宙司令部は中国の挑戦を真剣に受け止めている」と述べ、「中国は宇宙を占領するために信じられないほど速いスピードで動いている」とし、「中国側の人工衛星の数が急増したことが最も懸念される」と明らかにした。
最近6年間、中国は監視・偵察目的の知能型衛星の数を3倍に増やした。これを活用して自国の地上軍の能力を急速に強化している」とし、「私たちはこれを注意深く監視し、警戒している」と付け加えた。
また、先進的な極超音速滑空体の開発など、中国の宇宙兵器の進化にも触れ、これらがアメリカの防空システムを無効化し得るリスクを示している。ホワイティング司令官は今年2月、米上院軍事委員会の公聴会で「2024年1月現在、中国の衛星艦隊が359個に達すると把握された」「中国は米国の防空システムを無力化し、直接的な打撃を与えるために、極超音速滑空体など先端宇宙兵器を開発している」と伝えた。
今年1月に発表された米軍の報告書も「中国とロシアが軍事的用途に使われる可能性のある二重用途の衛星を宇宙に配置した」と警告した。報告書はその例として、巨大なロボットアームを搭載した中国の衛星を挙げている。この衛星は他の衛星を奪ったり、攻撃するために使われる可能性がある。
月を占領しようとする中国の動きも、米宇宙司令部が懸念する事項の一つだ。中国は科学的探査という名目を使いながら、実際には軍事的な支配を拡大しようとしており、これが月を舞台にした新たな競争へと導き、日米の安全保障にも影響を及ぼす可能性があるとホワイティング司令官は警告した。
ホワイティング司令官は、「中国は単に科学的な目的で月探査を実施するよう装っているが、その裏には月を占領しようとする軍事的な意図が隠れている可能性がある」と指摘した。また、中国は2030年までに宇宙飛行士を月に送る計画を進めており、その背後にはロシア、パキスタン、南アフリカ、ベラルーシなどの国々の支援があることも明らかになった。
ホワイティング司令官は、日本の宇宙作戦旅団を訪問し、宇宙領域における日米協力の重要性を強調した。「特に日本は深宇宙レーダーシステムを構築するために努力している。、初動対処能力を備えれば、中国の脅威に対応するのに大きな助けになる」と指摘。「中国の動きに対応するため、日米韓が協力を強化しなければならない」と強調した。
北朝鮮のミサイル開発及び発射についても言及した。ホワイティング司令官は「米国・日本・韓国は、北朝鮮がミサイルを発射するたびにそれがどこに向かうのかを把握し、各国の軍と国民に関連情報を知らせている」とし、「3国間の協力は継続されなければならない」と強調した。
このような動きは、国際社会が新たな協力体制を築くきっかけとなり、特に日本、米国、韓国などの協力が今後さらに重要になるとホワイティング司令官は強調した。3か国は昨年12月から発射推定地点、飛行軌跡、予想弾着地点など、北朝鮮のミサイルに関するすべての情報をリアルタイムで共有するシステムを稼働している。
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