米国と欧州連合(EU)が「中国の過剰生産」について深刻な懸念を表明する中、中国政府は自国内の電気自動車生産に関するすべてのデータを削除した。
中国国家発展改革委員会(発開委)は22日、公式ホームページを通じて「広東省深セン市で生産する電気自動車の価格が年初より5~10%下落した」と発表した。
ホームページによると、価格が下落した車種は計10種類で、最も大きな幅で下落した車種はビヤディ(BYD)のフラッグシップモデルである「ソングプラス(Song PLUS)」だった。Song PLUSの価格は年初の15万4800元(約338万円)から13万9800元(約305万円)で9.69%下落した。
発開委は「電気自動車の価格下落には、供給過剰、バッテリーコストの減少、生産効率の向上などが影響した」とし、「今年、電気自動車市場の競争がさらに激化するとみられる」と示した。
しかし、26日、発開委は公式ホームページから電気自動車の生産および価格に関するすべてのデータを削除した。
ジャネット・イエレン米財務長官が前日の25日、「中国の過剰生産問題に対応するため、米国はいかなる手段も排除しない」と明かしたことの影響とみられる。
国際メディアと一部の中国メディアは、削除前のデータを引用して「中国の供給過剰により、電気自動車市場の『価格戦争』が激化した」と報じている。
イエレン長官は今月初めに中国を訪問した際にも「中国が電気自動車、太陽光パネルなどを世界市場に注ぎ込んでいる。これにより、米国を含む多くの国の企業と雇用が脅かされている」と過剰生産に対する懸念を表明した。
中国外交部は、米国のこのような指摘に対して「中国の経済発展を抑制しようとする悪意のある意図」とし、「米国はこのように中国を牽制することで世界市場での優位性を得ようとしている」と指摘した。
李強中国国務院総理も「供給過剰は政府の補助金によるものではなく、市場論理に基づく自然な現象」と主張した。
これと関連し、台湾南華大学のスン・ グオシアン副教授はエポックタイムズとのインタビューで「中国の電気自動車メーカーが当局から『新エネルギーポイント』を受けたことを確認した。これは関連産業の供給過剰を助長する政府補助金の一部だ」と述べた。
現在、米国で活動する中国分析の専門家であるワン・へ氏は、「自由市場経済では、過剰生産問題を十分に解決できる。しかし、中国は権威主義的な統制を通じて経済を発展させようとしているため、この問題を解決するのはかなり難しいだろう」とした。
続けて、「最も大きな問題は、中国の内需が低迷し、経済構造が不安定である」とし、「中国の経済状況は悪化し続けている。これを解決するために自国産製品を世界市場にダンピングしている」と指摘した。
その上で、「これに対応するため、多くの国が反ダンピング調査を実施し、中国産製品の輸入を制限している」このようなことが続けば、最終的に中国は世界市場で徹底的に「封鎖」されるだろうと伝えた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。