今月26日、中国重慶市のトンネルで深刻な漏水が発生したことがわかった。中国メディアによると、このトンネルは開通からまだ3年も経っていない。
トンネル漏水の様子を捉えた動画がネットに流出しているが、そこには、滝のように泥水がトンネル上部から勢いよく降り注ぎ落ちてくる様子があった。また付近の地面にも水たまりが出来ている。
「こんな動画をネットに流した人、捕まったかな?」ーー。ネット上では「一貫して情報封鎖を好む当局」をからかうコメントが目立つ。
今回もSNSなどで話題になっているのは、トンネルの安全性に関する疑念である。「このトンネルも手抜き工事だったのか?」
「も」というのは、昔から中国各地で校舎、学校体育館、公立病院、スーパーマーケット、集合住宅の崩落事故があまりに相次いでいるから、誰しも同様の事故をみると「も」を付けてしまうのだ。
今月1日にも、広東省梅州市にある高速道路の路面の一部が崩落する事故があった。翌日、「死者48人、負傷者30人」と当局が死傷者数を発表して以来、続報はない。
事故が起きた同高速道路(開通して10年足らず)では施工期間中に何度も崩落事故を起こしており、約1年前にも同様の事故が起きている。さらに皮肉なことに、先月末に安全検査をクリアしたばかりだった。
当局はこの事故を「災害」と位置づけているが、ネット上では「当局の管理不行き届きや手抜き工事」を非難し、責任追及を求める声が高まっている。
「今の中国は一見してとても見栄えは良い。しかし、10年もしないうちに、おから工事災害があちこちに現れるだろう。住宅をはじめ、橋、道路、鉄道などのインフラは問題だらけだ」と米国の上級橋梁設計技術者である竹学葉氏が警鐘を鳴らしている。
(2024年5月26日、中国重慶市のトンネルで起きた漏水)
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