社会問題 中共の管理下にあるいかなる企業も信用してはならない

アメリカ市場で挫折、Sheinがロンドン進出を目指すが、英国議員からは厳しい審査を求める声

2024/05/29 更新: 2024/05/29

中国発のEコマース大手Shein、アメリカ証券取引所での上場が挫折し、ロンドンでの株式上場を目指している。しかし、英国議会はSheinのビジネスプラクティスに対して厳しい目を向けており、サプライチェーンの透明性と労働問題に対する深い懸念を表明している。

Shein(シーイン)は、低価格で多様な商品を提供し、世界中で迅速に市場シェアを拡大している。昨年11月、Sheinはアメリカでの株式公開を目指して秘密裏に申請を行ったが、米中間の緊張が高まる中、その計画は挫折した。

Sheinがロンドン証券取引所での上場を計画しているとの報道があるが、英国議会の外交委員会の委員長は、Sheinの上場を許可すべきではないとの見解を示している。

Sheinは元々中国で創業され、後に本社をシンガポールに移したが、中国に倉庫と供給網を保持し、衣類の大部分を中国の工場で生産している。Sheinの製品は150か国以上で販売されているが、中国国内では販売されていない。アメリカがSheinの最大の市場である。

この企業は新疆ウイグル自治区の綿を使用していると疑われ、大手ブランドや高級デザイナーからの著作権侵害で訴えられることが多く、アメリカの議員からも批判されている。Sheinは供給網での強制労働に関与しているとの指摘を否定し続けている。

ロビー活動が功を奏せず、Sheinのアメリカ市場での上場には多くの障害

「ウォール・ストリート・ジャーナル」の5月28日の報道によると、Sheinのアメリカ担当トップ、唐偉(ドナルド・タン)氏がアメリカ全土を巡り、政治家たちと会談を重ねている。彼は、Sheinがコンプライアンスと透明性で模範となるべきだとのビジョンを彼らに理解してもらうことに楽観的である。

昨年、唐偉氏はロサンゼルスからワシントンD.C.に転居し、Sheinのロビー活動を効率的に進めるための準備を行った。

報道によると、Sheinは中国共産党とアメリカの懸念を完全には払拭できていない。アメリカの議員はSheinと中国共産党との関係に疑問を持ち、サプライチェーンの透明性を求めている。一方、中国政府はSheinを含む国内企業に対し、新疆綿問題などで共産党の立場を支持するよう要求している。アメリカは新疆産綿の強制労働問題を指摘しているが、中国共産党はこれを否定している。

アメリカの政治家はSheinに新疆産綿を使用しない保証を求めているが、中国で生産される綿の大部分は新疆からのものである。

TikTokの国際版や拼多多(ピンドゥオドゥオ)の傘下で低価格商品を扱うTemuと同様、Sheinもアメリカ市場で多くのユーザーを持つ中国の主要企業である。これらの企業はアメリカ政府から厳しい監査を受けている。

先月、バイデン大統領はTikTokの親会社であるByteDanceに対し、1年以内にTikTokを売却するよう命じる法案に署名した。この命令に従わなければ、アメリカはTikTokの使用を禁止する予定である。

Sheinは昨年の11月に、アメリカ証券取引委員会(SEC)に対して、米国市場での上場を目指す申請を秘密裏に行った。これにより、規制当局との交渉中に敏感なビジネス情報や財務情報が漏れるのを防げた。

しかし、SECはSheinに対して、申請を公表しない限り受理しないと通知した。

アメリカのマルコ・ルビオ上院議員は、SECゲーリー・ゲンスラー委員長に対し、SheinのニューヨークでのIPO申請を一時停止するよう求める手紙を送った。

ルビオ議員は、「Sheinがアメリカの株式市場に参入する際は、我々の定めたルールを守るべきだ」と述べている。

実際、昨年5月には、アメリカの超党派議員たちは、Sheinが強制労働させていないことを証明するまで、SECはその上場を阻止すべきだと主張していた。

Sheinはロンドンでの上場を目指し準備を進めているが、依然として課題に直面している

ニューヨークでの上場を目指していたSheinは、規制の壁やアメリカ議会の反対に直面した後、ロンドンでの上場に向けた準備を加速している。

ロイター通信によると、Sheinはロンドンでの株式上場を申請している。英国政府の関係者によれば、2月に財務大臣ジェレミー・ハント氏がSheinの経営陣と会談した。同社はロンドンでの上場に意欲的である。

しかし、Sheinのロンドン上場はいくつかの障害に直面している。英国の議員たち、特に委員会のリーダーたちは、Sheinがロンドンで上場する資格があるかどうか疑問視し、厳しい審査を求めている。

外交委員会のアリシア・カーンズ委員長は、Sheinのロンドン上場を許可すべきではないと明言している。

「ガーディアン」紙によると、彼女はSheinの製品が非常に安価であることを指摘し、ロンドン証券取引所に自己反省を促し、そのような低価格がどのような犠牲を伴うかを深く考えるようコメントしている。

「英国の法律に基づき、サプライチェーンの適切な公開ができず、工場の労働環境に深刻な問題を持つ企業はロンドン市場にふさわしくない」とカーンズ委員長は述べている。

Sheinの広報担当者は、サプライチェーンの管理と法令遵守を強化するために数百万ポンドを投資していると説明している。さらに、150か国以上の顧客を持つグローバル企業として、監督体制と透明性を重視し、自社に対しても最も厳しい基準の設定を目指しているという。

イギリス議会は5月30日に解散し、7月4日に予定されている次の総選挙に向けて準備が進められている。この状況の中、商業貿易委員会の労働党所属リアム・バーン議員は、Sheinがロンドンでの上場を適切な審査なしに進める可能性について懸念している。

バーン議員は、「議会は、アメリカ議会がSheinのサプライチェーンでの強制労働に関して最近指摘した問題が解決されたかどうかを確認する責任がある」と強調した。

 

張婷
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