北米・中南米 財政的責任を果たし、中央銀行の独立を尊重

メキシコ初の女性大統領、クラウディア・シェインバウムが歴史的勝利を宣言

2024/06/04 更新: 2024/06/04

 

6月3日、メキシコに歴史的な瞬間が訪れた。元メキシコシティ市長で気候科学の専門家であるクラウディア・シェインバウム氏が、選挙管理機関の初期集計で大差をつけ、メキシコ初の女性大統領として勝利を宣言をした。シェインバウム氏の勝利は、メキシコ政治における新たな時代の幕開けを象徴しており、彼女の政権下での多くの国内外の課題に注目が集まっている。

速報集計によると、シェインバウム氏は大差で勝利し、メキシコ史上初の女性大統領に選出された。

メキシコの選挙当局による迅速なランダム抽出集計で、気候科学の専門家であり元メキシコシティ市長のシェインバウム氏が58.3%から60.7%の得票率で大統領に選ばれた。彼女はメキシコの民主選挙史上、最も高い得票率を記録した大統領となる。

選挙管理機関の集計によれば、与党連合は議会の両院で三分の二以上の議席を確保する見込みである。これにより、与党連合は、野党の支持がなくても憲法改正を進めることができる。

初期の集計結果から、シェインバウム氏の主要な対立候補である野党のソチトル・ガルベス氏は26.6%から28.6%の得票率であることが示される。

シェインバウム氏によると、ガルベス氏は既に電話で敗北を認めたとのことである。

「大統領、大統領!」と支持者からの声援を受け、シェインバウム氏は「メキシコが国を建ててから200年、メキシコ初の女性大統領になることを誇りに思います」と述べた。

彼女は、自らの政権が財政的責任を果たし、中央銀行の独立を尊重することを支持者に約束している。

この選挙はメキシコ史上最大で、約1億人の有権者が投票した。大統領選挙だけでなく、首都の市長、8人の州知事、議会の両院の議員を含む、合計2万人の公職が決まる。

しかし、これはメキシコ近代史で最も暴力的な選挙の一つで、38人の候補者が殺された。その中の一人は投票日前夜に射殺された。

投票日の日曜日、プエブラ州の二箇所の投票所で発砲事件があり、一人が亡くなった。他にも多くの暴力事件が発生している。これらは、麻薬カルテル間の対立が、民主主義の基盤を脅かす可能性があるという国際的な懸念を引き起こしている。

選挙前の見通しでは、シェインバウム氏が主要な対抗馬であるガルベス氏に大差をつけ、組織犯罪との闘いを強化する姿勢を見せている。

新しい大統領は、不法移民が米国とメキシコの国境を越える問題や麻薬問題に関する安全保障上の協力など、多くの課題に直面している。

次期大統領には、電力と水の供給不足を解消し、製造業を誘致することが期待されており、これはアメリカのオフショアリング戦略に沿ったものである。

シェインバウム氏は社会福祉プログラムの充実を約束しているが、メキシコは今年、大きな財政赤字を抱えており、中央銀行は来年のGDP成長率が1.5%に留まると予測している。

独立系ラテンアメリカ政治分析家、ナサニエル・パリッシュ・フランナリー氏は、「治安の改善と無罪放免の減少に向けて警察力を強化するための、革新的な投資の約束がなければ、シェインバウム氏が安全水準を大幅に高めるのは困難だろう」と指摘している。

 

陳霆
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