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アメリカ税関の新規制:SheinとTemuの免税通関サービスが中断

2024/06/08 更新: 2024/06/08

アメリカ税関及び国境警備局(CBP)が、中国からの低価格のファストファッション製品に対し新たな制限を設け、Shein(シーイン)やTemu(テム)などの中国通販サイト企業の配送遅延が予想される。この新政策は、特に800ドル(約12万5382円)以下の商品を迅速に通関していた企業に大きな打撃を与え、輸入業者や物流会社に新たな負担を課す可能性がある。

アメリカ税関及び国境警備局(CBP)は先週、消費者に直接販売する中間業者の免税輸入品迅速通関プログラムの資格を一時停止した。これは、不正な商品がこのルートを通じてアメリカに流入するリスクがあるためである。具体的な企業数は明らかにされていないが、税関関係者によると最大6社が影響を受けている。

この政策は、アメリカの空港での荷物検査を厳格化し、通関業者が提出する電子データのチェックを強化することで、税関及び国境警備局の取り組みを強化する。

アメリカのEコマース物流プラットフォーム、BoxCの共同創業者チャド・スコフィールド(Chad Schofield)氏は、「全ての入港地が影響を受けており、遅れを避ける方法は実質的に存在しない」と述べた。

今年、平均50ドルの価格帯の荷物が10億個以上アメリカに届けられる見込みである。消費者は、中国の工場で作られる低価格のファストファッション製品に強い需要を示している。

Sheinは上場を控え、市場シェアを拡大しようとしている。中国の資本を持つSheinとTemuは、消費者に直送される800ドル以下の商品に適用される、この迅速な通関手続きに依存している。

Trade Force Multiplier LLCの最高経営責任者(CEO)、シンディ・アレン(Cindy Allen)氏によると、このプログラムに参加している通関業者は、該当する荷物の62%を処理している。そうでなければ、その責任は輸出業者や物流会社に移るという。

「受け入れがたいコンプライアンスリスク」

アメリカの一部議員は、800ドル以下の荷物を税関検査なしで輸入できる現行規則が、中国や他国の電子商取引企業に不当な利益を与え、国内小売業者に不利益をもたらしていると主張している。また、批評家は、政府のフェンタニルなどの致命的な薬物対策が不十分で、それが危機を招いていると指摘している。

税関国境警備局(CBP)は先週、迅速通関プログラムの資格が一時停止された業者からのデータに「許容できないコンプライアンスリスク」があると指摘し、不正行為者がこのルートを通じて違法な商品やフェンタニル製造に必要な材料を密輸していると発表した。

イリノイ州に本社を置くSEKO Logisticsは、この政策の影響を受けた企業の一つで、6月1日にアメリカ国際貿易裁判所に訴訟を起こし、政策に異議を唱えた。

SEKOの最高経営責任者(CEO)、ジェームズ・ガニエ(James Gagne)氏は6月4日に「CBPの決定には非常に失望しており、強く反対している」と述べ、さらに同社の迅速通関プログラムのコンプライアンス率(法令やルール、倫理に従っているかどうかの率)が「99.999+%」に達していることを強調した。

SEKOによると、税関国境警備局(CBP)はSEKOの「テロ対策税関・貿易パートナーシップ(C-TPAT)」の資格を一時的に停止したとのことである。フォーチュン500企業の多くは、取引先にこの認証があることを要求している。

迅速通関プログラムに参加している企業には、海外発送・物流サービスのUPSやドア・ツー・ドア国際輸送サービスのDHLエクスプレスがあり、これらは資格停止の報告がない。

SheinやTemuのような企業は、EUでもアメリカと同じ問題に直面する可能性がある。EUの法律では、非EU国からオンラインで150ユーロ(約163ドル)以下の商品を購入した場合、関税はかからない。

ドイツの主要小売業者団体、ドイツ商工会議所(DIHT)は、免税措置によりSheinやTemuからのEU向け小包が増え、税関の検査能力が不足していると指摘し、ドイツ政府に改善を求めている。

これは将来、EUの輸入税制を大きく変え、低価格の荷物に対する免税措置が廃止される可能性がある。

 

 

李 言
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