中国外交部は7月17日、米国が台湾に武器を販売し続けていることを理由に、米国との軍備管理および核不拡散交渉を一時停止すると発表した。これに対し、米国国務省は中共(中国共産党)の行動をロシアの模倣であり、戦略的安定を損なうものと非難した。
中共の無制限な核兵器開発は米国の懸念を呼んでおり、米国は中共との軍備競争を避けるための交渉を求めてきた。昨年10月、米国防総省は中共が約500発の核弾頭を保有しており、2030年までに1千発を超える可能性があると報告した。
米国は中共に核管理交渉への参加を求め続けているが、北京はこれを繰り返し拒否している。昨年11月には、中米間で異例の核軍備管理交渉がワシントンで行われた。
中共の主張と米国の反応
中共外交部の林剣報道官は、記者会見で「米国が一貫して台湾に武器を販売していることが、中米間の軍備管理交渉の政治的雰囲気を著しく損なっている」と述べた。そして、この状況を受けて中共は新たな軍備管理および核不拡散交渉を一時停止することを決定したとした。
米国国務省のマシュー・ミラー報道官は、この決定について「不幸なことだ」とし、「中共はロシアのように、他の双方向の関係における挑戦がある中で軍備管理の接触を拒否するという選択をした」と述べた。また、「このような行動は戦略的安定を損ない、軍備競争のリスクを高める」とも述べた。
米中関係の現状
今年2月、ロシアのウクライナ侵攻1周年の際、ロシアのプーチン大統領は核の警告を発し、米国との主要な核管理条約の停止を宣言した。これに対し、米国と北大西洋条約機構(NATO)はロシアを非難した。
米国務省のミラー報道官は、中露間の関係がさらに発展していると述べ、北京がロシアの主要な戦略的パートナーとなっていることも指摘した。中共のロシア支援は米中関係の緊張を一層高めており、台湾問題も引き続き両国間の争点となっている。
米国は台湾との正式な外交関係はないものの、台湾の主要な国際支持者であり、武器提供者である。6月18日、米国政府は「攻撃無人機ミサイルシステム」を含む台湾への軍事支援を承認した。これに先立ち、6月5日には3億ドル(約472億円)相当のF-16戦闘機用部品の販売も発表されている。
中共はこれに対し、米国の行動が中米関係と台湾海峡の平和と安定を著しく損なうとして非難し、米国に対して台湾の武装化を中止するよう要求している。
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