大洪水に見舞われた中国河南省で15日、ある男性は首の高さまで増水した水のなかで木に抱きつき、口にくわえたスマホで自身の位置情報を共有して救助された。
救助された男性はメディアに対し、その死の淵から生還した体験について語っている。
男性はその日、車に乗って帰宅中だったが、急激な増水により車は流され、コントロールを失った。そこで男性は車を乗り捨てて、車外へ飛び出した。「近くに大木がある」ことを知っていたこの男性は、水の中を進み、記憶の中にある、木の方向へ泳いでいった。木に辿り着くと、それに抱きつき、位置情報共有中のスマホを口にくわえたまま、救援を待った。木に抱き着いた時の水位は男性の肩の高さはあったという。
救助隊が到着するまでの10数分、男性はずっとこの姿勢をキープし、男性が救助された際に、水位は彼の首のところまで届いていた。
男性によると、わずか20分~30分で水は20センチ以上も増水していたという。
(大洪水の中、木に抱きついて位置情報共有して救助された男性、中国河南省、2024年7月15日)
予告なしのダム放流
大雨に見舞われた河南省では各地で洪水が発生し、町全体が水に飲み込まれている。
深刻な水害をもたらした洪水の原因について、連日のように降り続いた大雨による河川の水位上昇に加え、「予告なしのダム放流が行われた」と多くの被災民が訴えている。
NTD新唐人テレビの取材に応じた同省南陽市の被災民は次のように話した。
「過去に河南省を襲った洪水は、ほとんどダム放流と関係がある。ダムが放流される際、予告を行えば、被災者から放流に伴う補償を要求されるため、当局は天災のせいにしようとして、こっそり放流する。そのせいで、多くの人が亡くなり、甚大な被害がもたらされたが、当局は情報を封鎖している」
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