「姉を返して」、オーストラリアに住む劉さんは訴える。
以前エンジニアの劉春霞さんは、26年間法輪功修煉を続けてきた。
ところが2001年を境に、劉さんはその信仰を理由に何度も不法に刑務所に入れられ、ついには仕事、家族、そして自由を奪われた。
劉さんの修煉する法輪功は、五式の功法と呼ばれる5種類の煉功動作に、精神と身体を修煉するための道徳的な教えが組み合わさったものだ。
劉春霞さんの妹の劉利さんはエポックタイムズの取材に対し、「姉は陝西省のある化学プラント系企業で、エンジニアとして懸命に働いていた」と語る。
「母は健康状態の悪化をきっかけに法輪功修煉を始め、驚くべき回復を見せた。法輪功の教えに感化された姉と私も母に続いて法輪功を修煉し始めた」
「仕事と私生活の両方で、私たちは人に対して善の心、誠実な心をもって接し、すると自然と生活に幸せが訪れた」
しかし、劉春霞さんはその信仰を理由に中国当局から厳しい弾圧を受けることになる。
劉春霞さんは不法に職を解雇され、洗脳センター(拷問と虐待を通じて強制的に改心させる施設)に入れられた。囚人服の着用を拒否すると、看守は彼女の服を破って裸にさせ、陝西省の厳しい冬の天気の中、彼女を外に立たせた。
その後、劉春霞さんは脱出に成功し、当局の拘束から逃れるためにホームレス生活を送った。
2001年から5年間、2018年から4年間拘束された劉春霞さんは2021年に釈放されたばかりだったが、去年再び拘束された。
劉春霞さんは今年で56歳。妹の劉利さんは「青春のほとんどを牢屋で過ごした」と話す。
法輪大法は、法輪功とも呼ばれ、中国古代の伝統を源とする修煉法である。1990年代、その絶大な健康効果から中国社会で瞬く間に人気が広がった。ところが当時の中国共産党党首であった江沢民は、法輪功の人気を自身の権力および無神論を掲げる中国共産党政権への脅威とみなし、1999年7月20日に法輪功学習者に対する大規模な弾圧をスタートした。
中国共産党はおびただしい量のプロパガンダを流し、法輪功の名誉を傷つけるとともに、国際機関、メディア、外国政府に対して当局に同調するよう圧力をかけた。
その素晴らしい健康状態と清らかな生活スタイルで知られていた法輪功学習者は、強制臓器収奪の標的にもなった。強制的な臓器摘出は国家ぐるみで行われ、臓器の売買を目的に多くの法輪功学習者が殺された。
豪上院議員が迫害25周年集会でスピーチ
オーストラリア緑の党のデビッド・シューブリッジ上院議員は、迫害が実行される理由を指摘した。
「法輪功が集団的な組織、あるいは集団的な信仰として中国共産党の権力に対する脅威であると見なされたことから、迫害は始まった」
シューブリッジ議員はシドニーで開催された法輪功迫害25周年集会で、そう語る。
また、法輪功学習者が臓器売買のために殺されていることを示す「おぞましい証拠」についても言及し、「中国における違法な医療体制」の存在を指摘した。
シューブリッジ議員は、「我々政府にできることの一つは、中国当局とのやりとりや公式声明の中で、その事実について率直な態度をとることだ」と話す。
「政府が気に入らないからといって、いかなるコミュニティも単に信仰や信教を理由に迫害、投獄、非合法化されてはならない。それは、オーストラリア人を団結させる根本的な権利だ」
オーストラリア保守系NPO「Tradition Family Property」の法人代表を務めるポール・フォリー氏も、中国当局に迫害された人々を元気付ける言葉をかけた。
「中国に家族や友人を持つ全ての人々に言いたい。オーストラリアはあなたたちの味方だと」
「この共産主義政権は、図体はでかいが両足は粘土でできている。張子の虎ということだ」
「中国が再び自由を取り戻す時が来る。ここオーストラリアのように、迫害の恐怖に怯えることなく表現の自由を享受できる日が中国にも来ると私は確信している」
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