【北京】中国共産党(中共)の外交部は7月23日(火)、パレスチナの14の各派、特に敵対するハマスとファタハが対立を終結し、暫定的な民族統一政府を樹立することで合意し、「北京宣言」に署名したと発表した。
中共は今週、ハマスとファタハの高官を北京に迎え、ガザとヨルダン川西岸での権力争いを長年続けてきたパレスチナの敵対勢力間の分裂を埋める努力を試みた。
イスラエルとハマスが停戦協定で進展を見せる中、この飛地の未来に関する議論がより緊迫している。多くの専門家は、ハマスとファタハの協力がガザの戦後復興に不可欠であると考えている。
平和か空想か
ハマスの政治指導者イスマイル・ハニーヤ氏とファタハのマフムード・アルール副議長は、北京での会談中に中共の王毅外交部長とそれぞれ7月21日と7月23日に会見した。
これ以前にも、今年4月に北京で行われた両者の会談を含め、ハマスとファタハの調停試みは具体的な成果を上げていなかった。今回の会談も同様に中共の主導の下で行われたが、根本的な分裂は依然として存在している。
中共は2023年3月にイランとサウジアラビアの関係正常化を主導し、外交地位を高め、中東の和平仲介者としての役割を強調している。フランスの「RFI」によれば、中共はこの役割を果たすことで国際的な地位を高めようとしているが、実際には既に熟した果実を収穫しただけだと指摘されている。
桜美林大学、菅沼雲龍教授は、習近平は紛争の解決に関与するよりも距離を置く方が有利だと考えており、アメリカやその同盟国が中東やヨーロッパで忙しくしている間に利益を得ることを望んでいると述べた。
現実との乖離
北京がハマスとファタハ会談を主催する前に、アラブ系ニュースメディア「The New Arab」は「ハマス-ファタハの和解交渉は時間の無駄か?」という記事を掲載した。
同記事は、香港の教授の意見を引用し、中共がパレスチナ内部の分裂問題に対処する方法は「無駄で失敗する運命にある」と述べている。なぜなら、中共はアメリカの重要な役割や、アメリカがイスラエルやファタハ主導のパレスチナ自治政府に与える強力で直接的な影響を無視しているからだと報じている。
習近平もまた、「パレスチナ人民の民意やイスラエルとアメリカがパレスチナ内部政治に与える影響を軽視している」と指摘されている。
昨年10月にイスラエルがガザ地区に攻撃を開始する前の世論調査結果によれば、全パレスチナ人の中でのハマスの支持率は22%、ファタハの支持率は26%であった。
アメリカとイスラエルはハマスをテロ組織とみなし、ファタハ主導のパレスチナ自治政府がハマスとの関係正常化を進めることを妨害してきた。
パレスチナの公式メディアは、この共同宣言について報じておらず、パレスチナ自治政府の主要指導者たちもコメントを発表していない。
共同宣言では、「各派のコンセンサスのもとで」暫定政府を樹立することが謳われている。この新政府は戦後のガザを管理するべきであるが、イスラエルはガザでのパレスチナ各派の役割を一切認めていない。
さらに、共同宣言の新政府は17年間分裂してきた機関を再統一し、選挙を準備することも明記されている。宣言は2011年にカイロで締結された和解協定や2022年にアルジェで締結された選挙実施を呼びかける第2の和解協定にも触れているが、いずれも実現していない。
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