医療倫理団体が、主要7か国(G7)および他の数か国に対し、中国共産党政権による、特に法輪功学習者などの良心の囚人を対象にした強制臓器摘出に対してアクションを起こすよう求める請願書を提出した。
請願書を提出した、米ワシントンに拠点を置く「臓器強制摘出に反対する医師の会(DAFOH)」と中国の臓器移植問題を追跡してきた国際団体「中国の移植弾圧を停止するための国際組織(ETAC)」は今月22日の声明で 、「中国共産党(中共)が強制臓器摘出の残虐行為をめぐって築いた沈黙の万里の長城」を打開することを請願の目的としていると表明した。
DAFOHの創設者兼代表であるトルステン・トレイ博士は、声明で「20年以上にわたり、臓器収奪のために法輪功学習者を容赦なく虐殺してきた中で、我々は良心を問われる喫緊の課題に直面している。我々は沈黙を守り、北京の加害者を加担するのか、それとも勇気ある態度を取り、臓器のために人間を殺害すべきではない、中国を含むいかなる国もこの人道に対する罪に目をつぶるわけにはいかないと断言するのか」と強調した。
「この世界で人間の尊厳を守るためには、強制臓器摘出を即刻停止しなければならない」
強制収容所に拘留されている法輪功学習者から生きたまま強制的に臓器を摘出しているという疑惑は、法輪功に対する迫害が始まってから7年後の2006年に初めて浮上した。
法輪功は法輪大法としても知られ、1992年に中国・長春市で伝えだされた。法輪功は、ゆっくりとした動作と、「真・善・忍」の原則に基づいた道徳的教えで構成されている。迫害前に発表された中国当局の統計によると、1999年までに少なくとも7千万人が法輪功を修煉していた。
法輪大法情報センターによると、迫害は現在に至るまで絶え間なく続いており、数百万人もの法輪功学習者が強制収容所や刑務所などの施設に不当に拘留され、数十万人が拘留中に拷問を受け、多数が殺害されている。
2019年、英ロンドンに拠点を置く「中国・民衆法廷」は、中共が長年にわたり「相当な規模で」良心の囚人から強制的に臓器を摘出しており、法輪功学習者が主な臓器源であるとの裁定を下した。
請願書には、G7のほか、アルゼンチン、オーストラリア、インド、イスラエル、メキシコ、韓国、台湾にも中国における強制臓器摘出の問題に対処するためのアクションを取るよう求めている。
「各国の政府は中共による強制的な臓器摘出を非難し、その即時停止と政府行動計画の実施を求める共同宣言を発表すべきだ」と記されている。
また請願書には、行動計画として、国民が中国で移植手術を受けるのを防ぐ措置、中国との移植関連の医療交流の禁止、立法会の公聴会を毎年開催することなどが含まれるべきだという。
さらに、「中国国内の法輪功学習者、ウイグル人、その他の人々に対して行われたジェノサイド条約の規定に反する行為の責任を問うための調査」を求めている。
オーストラリアのマッコーリー大学の著名な教授で、ETAC顧問のウェンディ・ロジャーズ氏は、声明で「世界は中国で起きている人道に対する罪に目をつぶるのをやめなければならない。罪のない良心の囚人が臓器移植のために殺されてきた。現在も殺され続けている」と述べた。
こうした状況を踏まえ、「G7にはこの問題でリーダーシップを発揮するチャンスがある。行動を起こすよう促す」とした。
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