「民不畏死、何以死懼之」、(邦訳)民衆が死を恐れなくなるまで追い詰めてしまったら、どのような刑罰をもって彼らを恐れさせる事ができるだろうか?
2千年以上も前に老子が言ったことが、いま中国で現実的に起きている。
現代中国
近年、中国各地では、何か月分もの給料の支給を求める労働者、預金口座を凍結された預金者、さらには救済を求める「金融難民」など、抗議する市民の姿が実に多い。
中国経済が悪化の一途をたどるなか、不動産、銀行、投資・資産運用部門においては破綻や破産が相次いでいる。そうしたなか、被害を受ける市民、そして社会の底辺で生きる庶民は、日々を生きていくことが非常に苦しくなってきている。
自殺者が急増するいっぽうで、公権力に立ち向かう者も増えているのだ。
中国東北部で撮影されたある露店商と、それを取り締まる「城管(主に都市部の秩序維持や市民生活に関わる様々な特に、暫露天商、交通整理、建設規制、環境衛生の監視など)」を映した動画が最近、華人圏で拡散されている。
複数の城管を前にしても、怯むことなく、女性露店商は堂々と反抗をする。
「あなたたちの生活は苦しくないの?」
「今のご時世をわからないわけでもないだろうに、住宅ローン、車のローン、子供の学費……私たちは生きることに精いっぱいなのよ! 誰が好き好んで露店なんてやると思う?」
「私たちは理解し合えないのですか?」
「どうしろっていうんだよ、追い詰めないでよ、そんなに私たちに造反させたいのか?」
そばにいる別の露店商も、「生活の苦しさ」について語り、「互いに傷つけあってはいけない」と城管に語り掛けている。
露店商たちの「思い」を城管たちはただ黙って聞いていた。
(その時の様子)
「そんなに造反させたいのか?」
7月も上海の街中で、交通警察に行く手を阻まれたフードデリバリー配達員の若い男性も、同様のセリフを発していた。
この時、自分に向かってカメラを回す配達員の携帯電話を、交通警察が取り上げた。怒った配達員は携帯を奪い返したが、今度は仕事の必須品である愛車の電動バイクのカギを没収されたのだ。バイクが交通警察に押収されてしまったら仕事も出来なくなると、配達員は焦り、反抗をした。
この時、絶望した配達員が叫んだ言葉がこれだ。
「そんなに造反させたいのか?」
(その時の様子)
「官逼民反(かんぴつみんはん)」
中国共産党(中共)による残酷な搾取と関連する話題において、登場頻度の高いワードに「官逼民反」というのがある。意味は「役人の圧迫で人々は生きることができず、抵抗するために立ち上がることを余儀なくされる」だ。
時事評論家の李林一氏は、「今の中国社会は、すでに火薬庫のような状態になっている。今後このような状態が続けば、遅かれ早かれ中国では何か大きな事件が起こるだろう」と評した。
中国社会が、すでに「爆発寸前の火薬庫」であることは、近年社会報復事件が頻度を上げて連続していることからも伺われる。
それに対して、中共当局は「情報封鎖」するばかりで、何ら有効な方策もない。
「このままでは一揆が起こる日はそう遠くはない」
「すでにあちこちで小規模な抗議事件が頻発している、そろそろ第二の李自成(明末の農民反乱の指導者)が出てきてもいい頃だ」などと書き残し、中国で「巨変」が起こることを待ち望むユーザーは多い。
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