カナダ、移民受け入れ抑制へ 住宅・社会サービス逼迫受け

2024/10/25 更新: 2024/10/25

Anna Mehler Paperny

[トロント 24日 ロイター] – カナダのトルドー首相は24日、コロナ禍による労働力不足への対応が行き過ぎだったとし、移民の受け入れ数を抑制する方針を明らかにした。住宅や社会サービスの逼迫を緩和する狙いがある。

カナダは長年、移民受け入れに寛容な政策を取ってきたが、手頃な住宅の供給が少なくなる中、このところ移民に対する世論が悪化していた。

トルドー氏は「コロナ禍を脱しつつあった激動期に労働者ニーズに対応し、人口の伸びを維持する中で適切なバランスを取れなかった」と語った。

政府は2025年の永住者受け入れ数を39万5000人、26年は38万人、27年は36万5000人に設定。24年の48万5000人から毎年減らしていく計画で、多年度移民受け入れ計画を18年に導入してから初めての複数年にわたる削減となる。

従来は25年に50万人、27年も同数受け入れる計画だった。

同時に、一時滞在者の数を毎年数十万人減らすと、移民・難民・市民権省が明らかにした。今後数年でビザ(査証)が切れる100万人以上の移民が自らの意思で出国することを望んでいるという。

移民抑制策により、25年と26年に人口が0.2%減少し、27年には増加に転じると政府は予想している。また、カナダの住宅供給不足が27年末までに約67万戸縮小すると見込む。

Reuters
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