欧州議会は台湾を支持する決議を圧倒的多数で通過させた。この決議は、中国の軍事的挑発と国連総会決議2758号の解釈に対する明確な立場を示しており、国際政治における新たな展開を予感させるものである。
欧州議会は10月24日に重要な投票を行い、台湾支持を訴える決議を圧倒的多数で可決した。この決議は、中国共産党(中共)による台湾周辺の軍事的挑発と「国連総会決議2758号」の歪曲に対する厳しい非難を含んでおり、中共による国際規則の曲解と台湾の国際組織への参加妨害を批判している。
欧州議会の決議は432票の賛成、60票の反対、71票の棄権という結果で通過した。多くのEU議員が台湾支持の強い意志を示し、この問題がEU内で共感を呼んでいることを示している。
中共の軍事挑発と欧州議会の対応
決議は、中共がインド太平洋地域の力のバランスを変え、台湾海峡の現状を一方的に変更しようとする動きを強く非難している。欧州議会は、中共の行動が地域の緊張を高める要因であると警告し、これに対して国際社会がどう反応すべきかを示唆している。
その一方で台湾政府の自制的な対応が評価されている。台湾は中共の継続的な軍事演習に対しても穏やかで、計算された反応を示しており、その姿勢が国際社会からの支持を集めている。
決議文には、EU執行委員会に対して台湾との二国間投資協定などの交渉を準備するよう求める内容も含まれており、EUと台湾の関係強化を目指す動きが強調されている。これは台湾とEU双方にとって重要なステップであり、経済的なつながりだけでなく、政治的な支援の表れともなっている。
国際社会への影響
また、台湾外交部はこの決議を歓迎し、EUの継続的な関心と支持に感謝の意を示している。
この決議に対する中共の反応は厳しいものであり、中共の欧州連合代表部は「一つの中国原則」に反するものとしてこの決議を非難している。これにより、台湾海峡を巡る国際的な議論はさらに複雑な局面を迎えることが予想される。
国連決議2758号の歪曲に対する批判
欧州議会は、中国共産党が国連決議2758号を歪めて解釈していることを厳しく非難している。国連決議2758号は1971年に採択され、中華人民共和国の国連における代表権を認めるものであり、台湾の政治的地位や法的地位については一切言及していない。また、「一つの中国」原則や台湾が中国の一部であるという主張も含まれていない。要するに、国連決議2758号は主に中国の代表権に関する問題を扱っており、台湾や中華民国と国連との関係については明確な規定を設けていない。
近年、中共はこの決議を拡大解釈し、台湾に対する法的圧力の根拠として使用する傾向にあり、これは決議の本来の内容を超えた解釈であると指摘されている。
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