女性への差別撤廃を目指す国連委員会は、夫婦が同じ苗字にすることを定めた日本の民法について、改正を求める勧告を出した。勧告は2003年、2009年、2016年に続き、今回で4度目となる。
共同通信によると国連委員会は「差別的な条項があるとしたこれまでの勧告に対し、何の行動も取られていない」と指摘し、日本側の姿勢を批判した。
林官房長官は30日の会見で「今後関係省庁において(国連の)委員会の最終見解の内容を十分検討したうえで、国民各層の意見や国会における議論の動向等を踏まえ適切に対応したいと考えている」と述べた。
厚生労働省の2023年の人口動態統計調査によると、2023年の婚姻件数47万4741件のうち、妻の姓を選んだのは2万6344組で、全体の5.5%だという。
法務省は、現在の民法のもとでは、結婚に際して男性または女性のいずれか一方が、必ず氏を改めなければならないとした上で、夫と妻がそれぞれ結婚前の苗字を認める「選択的夫婦別姓制度」の導入について、婚姻制度や家族のあり方と関係する重要な問題であり、国民の理解のもとに進められるべきだとの認識を示している。
また法務省が2021年に行った世論調査では、夫婦の苗字のあり方に関して、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持したほうがよい」と回答した人の割合が27.0%、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」が42.2%、「選択的夫婦別制度を導入した方がよい」が28.9%となっている。
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