スペイン東部を中心に10月末に発生した集中豪雨で、1日までに200人以上の死亡が確認された。その多くは東部バレンシア州で確認されたが、死者数は今後さらに増加するとみられる。複数のメディアが報じた。
スペインでは10月29日、わずか数時間で1年分に相当する雨が降り、車や橋が押し流されて甚大な被害が生じた。
スペイン気象当局によると、バレンシア西部のチバでは29日、8時間の雨量が480㎜を超えた。
BBCによると、国家的な災害時に対応に当たる市民保護機関は、29日8時15分まで警報を出さなかったが、この時バレンシア州の複数の場所ではすでに洪水が発生していた。洪水の危険性を地域住民に対して適切なタイミングで警告できなかったとみられることについて、国民の怒りが高まっているという。
被災地では31日、救助隊員ら1200人以上がドローンも使用しながら救助活動を行った。行方不明者について、当局は「多数」とし、具体的な人数は明らかとなっていない。
水位が胸のあたりまで達したバレンシア市のラトーレ地域では、ボランティアが行方不明者の捜索を続けている。
スペインのトレス地域政策相は1日、軍がすでに4607人を救出したことを明らかにした。
ペドロ・サンチェス首相は被災地を訪れ、「いま最も重要なのは、一人でも多くの命を救うことだ」と述べ、必要な場合は避難するように呼びかけた。
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