社会問題 「富寧(県)で最も気骨がある男」

【動画あり】「こんなことにカネ使いおって…」中国のある中学生の怒りの叫び

2024/11/19 更新: 2024/11/19

15日、雲南省富寧県にある中学校の「文化祭」の開幕式典の場で、男子生徒が学校役人や政府官僚らの前で、学校改善に関して、問いただす一幕が波紋を呼んでいる。

学校職員から無理やり担ぎ出されようとも、何度もステージに舞い戻って、最後まで主張を伝えようとする生徒の姿に、ネット上で称賛の声が多く寄せられているという。

「学校側のやりかたに異議を申し、会場から担ぎ出された学生」の「事件」は多くの中国メディアも取り上げており、「この勇気ある生徒は学校からどんな処分を下されるんだろう」と多くのユーザーはひやひやしている。

「事件」後、中国メディアは学校職員の話として、「生徒に対して精神鑑定をする予定だ」という。

 

 

「あんたたち(学校側)何を恐れているんだ?」

「富寧(県)で最も気骨がある男」という字幕から始まる現場動画のなかには、多くの「地位や身分が高い人」たちが着席する式典の壇上でマイクを手にする男子生徒の姿があった。

彼は「私は怖いです。手が震えています。今から言う話は一部の人を傷つけることになる、そして私の身も危険になる。それでも、私は言わないといけない。なぜならば、それは私たち生徒全員に対する軽蔑や傷害だからだ」と切り出した。

「この生徒はこれから、何かマズイことを話そうとしている」ことにいち早く感づいた学校職員と思われるシャツの男はすぐさま、その生徒に駆け寄り、彼をステージから押し出した。

しかし、妨害されながらも、生徒は話し続けようとする。

「昨日のことだ、みんな知っているだろう」、ここまで話したとき、生徒が使用していたマイクの電源が切られた。

すると、生徒は使い物にならなくなったマイクを投げ捨て、力いっぱい大きな声で叫んだ。

「昨日のことだ、誰も…」と、生徒は話の途中、またしても邪魔をされた。先ほどのシャツの職員に抱きつかれ、場外へと引きずり出されそうになるも、生徒は男を押しのけて「最後まで話をさせてくれ」と告げた後、話し続けた。

「安娜草堂(文化的空間で文人や詩人が使用することが多い場所で無駄な建物、読書室ともいう人がいる)に使うカネはあるのに、学校寮を直すカネはないというのか」

「寮がいまどんな様子か自分たちの目で見て見ればいい」

この時、さきほどのシャツの男と別の職員2人は生徒の体を無理やり引っ張り、力づくで場外へと押し出した。

 

話し中に何度も妨害される生徒(動画よりスクリーンショット)

 

この事態に観客席の生徒たちは拍手をし始めた。

「これからドローンショーがはじまります」というアナウンスの声がした後、いったんは場外へ押し出されていた先ほどの生徒は邪魔者による拘束を振り切って再度ステージ前に戻りこう叫んだ。

「なぜ最後まで言わせてくれないんだ?」

「あんたたち(学校側)は何を恐れているんだ?」

その後、生徒は複数の男性職員によって場外へと、今度こそ、担ぎ出された。

 

複数の男性職員によって体を拘束されて、場外へと強引に連れ出される男子生徒(動画よりスクリーンショット)

 

現場動画に雑音が多く入っており、男子生徒の話を完全に聞き取れないが、それでも学校という絶対的存在に対する彼の「恐れなし」の堂々とした態度に、「このような生徒こそ中国の未来だ」などと、ネットユーザーから称賛の嵐だ。

ほかにも、「見て見ろ、これが中国の教育だ。生徒が本音を話すのを許さない」、「自分の主張を口に出来る生徒はどんどん少なくなった」といった嘆きも広がっている。

 

「安娜草堂」の正体は?

生徒が口にしていた「安娜草堂」とは何か? 文脈からすると、「無駄な建物」だ。

現地の教育当局によると、「安娜草堂」は読書室であり、建設資金は宿舎修繕費から出していない。

また、生徒が主張する「ひどいありさまであるのに改善してくれない学校宿舎」について、教育当局は、「学校宿舎は暮らす上での正常な条件をクリアしている」と一蹴している。

いっぽう、安娜草堂の正体は「養魚池」、「学校が立てた地位や身分が高い人を接待するための建物」とするネット上の指摘もある。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
関連特集: 社会問題