悪化の一途をたどる中国経済。民間企業のみならず、国有企業、ひいては政府部門までもが深刻な財政難に陥っており、一部地方では政府の官公庁ですら電気代などの公共料金を払えずに滞納している。
そうして職員の給料を払えない事態が常態化し、いまでは各地で労働者による抗議・ストライキ事件がほとんど毎日のように起きている。
ストライキや抗議関連の情報は中国のネットに一瞬流れてもすぐに検閲に遭うが、それでも毎日のように似たような投稿があがっている。
実際に「私たちにも生活があります! 給料を払ってください!」と土下座して乞う者、またビルの屋上に座り込んで「給料を払わなければここから飛び降りる」という行動に出る者も少なくない。
最近そういった声が中国のあちこちから上がっており、中共政権も有効な対策はとれていない。そうした状況に「中国共産党にとっての悪夢の到来はそう遠くないだろう」と指摘する専門家もいる。
「Xデー」
賃金不払いや減額などを起因とする中国各地で頻発している抗議事件について、中国時事評論家の唐浩氏は大紀元の取材に対し、次のように指摘する。
「給料を払ってと抗議する民を鎮圧させるために警察を出動させて無理やり押さえつけることはできるが、警察や公安など、これまで社会の安定維持を行う側だったグループまで減給されたり給料がストップすれば、大変なことになる。彼らは、直接政府と対峙するまではいかなくても、抗議する市民の鎮圧には加担しなくなるだろう」
「さらには、警察までもが抗議する側の列に加わりかねない。警察部門が政府に反旗を翻す事態となれば、中国共産党の体制はいよいよ危うくなる」
「今日の中国国民は、中共の党員ですら、本気で共産党や共産主義を信じている人はいない。ほとんどの人が信仰しているのはお金である」
「彼らは、ただこの体制を利用して権力や利益を手に入れようとしているだけだ。今の体制がそのような恩恵をもたらすことができなくなれば、彼らは体制擁護をやめるか、ひいては体制を攻撃し、倒す側に回りかねない」
「中国共産党にとっての悪夢の到来はそう遠くないだろう」
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