10日正午、中国・北京の空にも、突如「3つの太陽」が現れた。
これに先立ち、11月29日に内モンゴル自治区で「3つの太陽」、12月3日に黒竜江省で「3つの太陽」、2024年12月4日に河北省で「2つの太陽」、12月5日に内モンゴル自治区で「2つの太陽」と、1週間で4回も幻日が観測されてきた。
空に太陽が同時にたくさん現れる現象は俗に、「幻日(げんじつ)」と呼ばれ、自然現象の1種とされる。
しかし、中国唐代の有名な予言者・李淳風(りじゅんぷう) は「王朝滅亡を告げる凶兆だ」と予言しており、多くの中国の古書のなかにも同様の記述がみられる。李淳風は正史にも記録されている人物だ。
(北京で観測された「3つの太陽」、2024年12月10日正午)
(北京で観測された「3つの太陽」、2024年12月10日正午)
異様な雰囲気に包まれる中南海
中国は今、不動産業のどん底不振、金融の崩壊、経済の破綻、社会秩序の崩壊、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えている。
そうした切迫した状況から、人々は近年中国で相次いだ古書でいう「王朝終焉の兆し」とされる「幻日」や「赤い空」などの異常現象をより深刻に受け止めており、「そろそろ時代が変わる」ことを身で感じる中国民衆も少なくない。
中国共産党(中共)の権力中枢である「中南海(北京市)」でも、過去数か月の間、かつてない異様な雰囲気に包まれており、中共党首・習近平の権力が弱体化されている兆しが絶えず指摘されている。
例えば、7月に開かれた「第20回三中全会」期間中、「習近平が会議中に脳卒中で倒れた」とする噂がネット上で広まり、噂は多くの影響力のある人物によっても拡散され、話題となった。
ネット上の都合の悪い情報は思いのままに規制をかける中国共産党政権下で「こうした噂が許されていること自体が重大なシグナル」と専門家は分析している。
また、習近平を称賛する官製メディアの記事が削除される事態も起きており、先月には習の重要な側近である苗華(びょうか)が逮捕されている。
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