闇バイト対策で「仮装身分捜査」 石破首相「取り締まり徹底を」

2024/12/17 更新: 2024/12/17

政府は17日、首相官邸で犯罪対策閣僚会議を開き、SNSを通じて募集される闇バイトから国民を守るための緊急対策を指示した。石破茂首相は、「仮装身分捜査も活用した徹底的な取り締まりをする」と語った。

緊急対策には、警察官が身分を偽り犯罪組織に接触する「仮装身分捜査」の早期実施が盛り込まれ、運転免許証などを使ってバイトに応募し、犯行実態の捜査を行えるようにする。

警察が捜査員による身分偽装を用いた任意捜査を導入するのは今回が初めて。

また、SNS事業者に違法な投稿や広告を削除するよう求めるとともに、アカウント開設時の本人確認の厳格化を要請している。

石破首相は「闇バイトの募集は犯罪の実行者を募集するもので投稿自体が犯罪だ」と強調した。

11日に、高市早苗前経済安全保障担当相を会長に据える自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」が石破首相に緊急提言を渡した。

提言では、仮装身分捜査が実行犯の検挙に有効だと指摘している。「仮装身分捜査」は、捜査機関が犯罪を誘発するように働きかけ、実行された際に検挙する「おとり捜査」とは異なり、犯罪が起きる前に摘発する。

闇バイトは、匿名・流動型犯罪グループ、トクリュウの活動手段の一つとして利用され、高額報酬を謳い、SNSを通じて若者を犯罪に巻き込む危険な手口として認識されており、政府や警察も対策に乗り出している。

匿名性が高いため、犯罪組織の関与が見えにくい。被害者を装った強盗や詐欺行為、密輸などの犯罪行為を要求する。実行犯は一度の報酬で終わる使い捨ての駒とされることが多い。

警察庁は、「闇バイト」は犯罪の実行者を募集するものであり、応募者は捨て駒にされる危険性が高いと警告し、以下のように告示している。

闇バイトに関与してしまった場合や、情報を見つけた場合は以下の窓口に相談・通報することができます。

●警察相談ダイヤル:#9110
●最寄りの警察署
●都道府県警察本部の少年相談窓口:専門知識を持つ相談員や少年補導職員が、適切な助言や指導を行っている。
インターネット・ホットラインセンター

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