米国防総省 中共軍事力報告書の内容

2024/12/23 更新: 2024/12/23

18日、米国防総省は年次の中共軍事力報告書を発表した。この報告書によると、中国共産党(中共)は台湾に対する圧力行動を強化しており、頻繁に行われるグレーゾーン作戦が逆効果をもたらす可能性があると指摘している。また、報告書では中共軍の高官による汚職問題にも触れている。

中共は最近、90隻の軍艦と複数の軍用機を動員し、台湾と第一列島線周辺で挑発的な軍事活動を行った。これに対し、米軍は西太平洋に3隻の空母を配備して抑止力を示している。

米国のブリンケン国務長官は12月18日のインタビューで、世界情勢について語り、中共が台湾問題を内政問題だと主張することに対して明確に反論した。

ブリンケン米国務長官
「中共が台湾を危機に陥れる行動をとれば、誰も無事ではいられない。毎日、商業コンテナ輸送の50%が台湾海峡を通過し、また世界の70%の半導体チップは台湾製だ。台湾で危機が発生すれば、世界経済にも影響が及ぶ。これにより、欧州諸国はさらに立ち上がり、中共に対して、我々は平和と安定を維持する必要があると主張している。中共は台湾は他人の問題ではなく、我々の問題だと言いたがるが、世界は決してそうではない」

同日、米国防総省が発表した年次中共軍事力報告書によると、中国軍の台湾に対する脅威は増大しており、台湾を強制するための手段が存在するとしている。2023年には中共軍機が少なくとも712回、海峡中間線を越え、2022年と比べ、160回増加した。

さらに、中共がインド太平洋地域で頻繁に行っているグレーゾーン作戦について、米国防総省のインド太平洋担当ラトナー次官補は、中共の行動が逆効果を生み、米国とその同盟国との関係をより緊密にする可能性があると指摘している。

米国防総省は最新の軍事力報告書で、中共軍の汚職問題に珍しく言及し、この問題が軍事近代化の進展を妨げていると述べた。この内容は広く注目を集めている。

台湾国防安全研究院国家安全研究所 沈明室研究員兼所長
「このような分析と報告は、中国の軍事能力に対する誤った判断を避け、今後の展開を継続的に追跡するのに役立つ。米国が中国と衝突する可能性がある状況下で、中共軍の真の実力と変化を理解することが極めて重要だ。過去の分析は主に軍事能力の判断と推定に基づいていたが、汚職は現在、中国の軍事力発展における最大の変数だ」

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