超党派の国会議員で構成される「人道外交議員連盟」が、石破総理大臣にガザ地区の負傷者受け入れ体制の整備を要請した。
12月27日、「人道外交議員連盟」のメンバーが総理大臣官邸を訪れ、石破総理大臣に要請書を手渡した。
要請の主な内容は、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への支援継続と、WHO(世界保健機関)の要請を踏まえ、ガザ地区の負傷者を日本で受け入れる体制の整備。
要請書によると、ガザ地区では危機的状況が続いており、現地の医療体制がひっ迫している背景があるという。国境なき医師団の報告によると、2023年10月7日の紛争激化以降、ガザにおける死者数は4万人を超え、医療施設への攻撃も504件に上っているという。
石破総理大臣は「非常に具体的な提言なので、実務担当者とよく相談して今後の対応を考えたい」と応じた。
議員連盟の会長を務める自民党の武見敬三前厚生労働大臣は、「今回の要請内容について78人の国会議員から賛同の署名が集まった」と述べ、「ガザ地区の非人道的な状況の改善に向けて、日本としてより具体的に貢献していきたい」と記者団に語った。
今後の日本政府の対応が注目される。
イスラエル政府はUNRWAに活動禁止
一方、イスラエル政府は、UNRWAに対して活動禁止法を可決させている。
2024年10月、イスラエル国会はUNRWAの国内での活動を禁止する法案を圧倒的多数で可決し、2025年1月に施行する予定だ。施行後は、パレスチナ自治区ガザ、ヨルダン川西岸、東エルサレムでUNRWAは活動できなくなる。
この活動禁止法成立の背景には、UNRWAが1949年の創設以来、パレスチナ難民を支援することで「難民問題を永続化させている」というイスラエル側の主張がある。
今年1月、イスラエル政府は2023年10月7日のハマスによるイスラエルへの越境攻撃に複数のUNRWA職員が関与したと告発し、9名の職員が解雇された。
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