大手商社の三菱商事が、環境に配慮した合成燃料を製造する米国のスタートアップ企業「インフィニウム(Infinium)」に新たに出資することが明らかになった。
NHKの報道によると、三菱商事は独立行政法人のエネルギー・金属鉱物資源機構「ジョグメック(JOGMEC)」と共同で、合計2千万ドル(約30億円)を出資する計画だという。
合成燃料は、大気中や工場から排出される二酸化炭素を回収し、水素と合成して作られる液体燃料である。この燃料は燃焼しても二酸化炭素の排出量が実質ゼロとみなされるため、環境に優しい燃料として注目を集めている。日本政府も、石油由来のガソリンや航空燃料の代替として、2030年代前半の商用化を目指している。
Infiniumは設立から5年の新興企業だが、すでに世界的な注目を集めている。IT大手のアマゾンとの調達契約や、イギリス、シンガポールのベンチャーキャピタル、韓国の大手石油会社からの出資を受けているという。
三菱商事の今回の出資は、将来的な合成燃料の需要拡大を見据えたものと考えられる。合成燃料は既存のエンジン車や航空機にそのまま使用できるという特徴があり、今後の利用拡大が期待されている。三菱商事はこの出資を通じて、Infiniumとの関係を構築し、将来の合成燃料調達につなげる狙いがあるとみられる。
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